「飲食店に手洗いマニュアルは必要かな?」
「普段と同じ手洗いじゃダメなのかな?」
衛生管理を徹底しなければならない飲食店において、手洗いは基本中の基本。
全員で正しい手洗い方法を共有するためにはマニュアルを作成しておくのがおすすめです。
そこで今回は飲食店における衛生的な手洗いマニュアルを手順に沿ってご紹介します。
家庭で行う手洗いとは異なる点が多く、意外と正しい方法を知らない場合も多いもの。
あらためて正しい手洗いについて確認しておくことで、衛生管理を徹底できるはずです。
「新型コロナウイルス感染拡大により、手洗いの徹底がこれまで以上に広がってきましたが、そうでなくても手洗いは食品事業者として基本の衛生管理です。」
あわせて飲食店における手洗いマニュアルをスタッフにしっかり周知する方法についても解説していますので、最後まで内容をチェックしてくださいね。
目 次
飲食店での衛生的な手洗いマニュアル

食品衛生の基本は手洗いです。
しかし飲食店における手洗いは、家庭などでの手洗いとは異なります。汚れだけでなく、目に見えない細菌やウイルス、病原微生物まで確実に取り除かなければなりません。
そのためには正しい手の洗い方をマニュアル化し、スタッフで共有することが有効です。
そこで衛生的な手洗い方法を3つのステップに分けてご紹介しますので、マニュアルを作る際の参考にしてくださいね。
ステップ1:石けん液での洗浄
まずは石けん液やハンドソープを使い、汚れや細菌を落としましょう。
その前に爪の長さやマニキュアをしていないか、指輪や時計などをつけていないかをチェックするのも忘れないようにしたいですね。
手洗いの手順
- 流水で十分に手をぬらす
- 石けん液を手に取り、よく泡立てる
- 手のひらはシワの間までしっかり洗う
- 手の甲は反対の手のひらで伸ばすように洗う
- 指の間は手を組み、絡めるようにして洗う
- 親指は反対の手でねじるように、シワの間まで洗う
- 指先、爪の間は手のひらの上でよくこする
- 手首は反対の手でねじるように洗う
- 調理従事者はさらに肘まで洗う
とくに指の間や手首、親指の付け根など忘れがちな部分をしっかり洗うことが重要です。
また、爪ブラシを使って洗う方法もありますが、きちんと保管されていないと爪ブラシそのものに雑菌が繁殖し、汚染の原因となりやすいため注意が必要です。
ステップ2:すすぎ・拭き取り
石けん液で洗ったら、しっかりとすすいで汚れや細菌を流しましょう。
- 流水で石けん液を充分に洗い流す
- ペーパータオルなどで水分を十分に拭き取る
手に水気が残ったままだと、この後除菌する際に使うアルコールが十分に効果を発揮できません。ペーパータオルを使い、しっかりと水気を拭き取ることが重要です。
また、再度手が汚れたりウイルスや細菌が付着したりしないよう、水道の蛇口はペーパータオルを使って閉めるようにしましょう。
ステップ3:アルコールによる消毒
最後の仕上げとしてアルコールを使い、消毒しましょう。
アルコールは食中毒の原因となるさまざまなウイルスや菌を退治するのに効果を発揮します。
ただしノロウイルスなど一部のウイルスや細菌には効果がありませんのでご注意ください。
- 手指消毒液を手に取る
- 乾くまで指先や全体に丁寧にすりこむ
ポイントは乾いた手に使用することです。手が濡れた状態ではアルコール濃度が下がってしまい、十分な効果を発揮できません。
あらかじめしっかりと水分を拭き取っておくことが肝心です。
また、消毒後もしっかり乾かしましょう。
濡れたまま放っておくと、 消毒液に含まれる水分が原因で雑菌が繁殖してしまう ことがあります。
手洗い後は顔や髪に手を触れないよう注意した上で、業務に取り組むことも重要です。
飲食店における手洗いの重要性を再チェック

ここまで飲食店における手洗い方法について解説してきました。ではなぜ飲食店において、手洗いはこんなにも重要視されるのでしょうか?
人間の手には非常に多くの微生物が付着しています。
中には食中毒の原因となる病原微生物が付いている場合もあり、手を介して食材が汚染される被害を引き起こしてしまいかねません。
つまり、手は菌やウイルスの運び屋となってしまう可能性があるのです。
万が一、飲食店で食中毒が発生してしまったら……。
従業員だけでなくお客様へも被害がおよぶ恐れがあり、場合によっては営業停止に追い込まれてしまうことも。
また被害が大きく広がったり、命に関わったりする可能性もあります。
さらに近年では、 食中毒だけでなく新型コロナウイルス感染症拡大にも注意が必要 です。
食中毒の原因となる菌や新型コロナウイルスは、正しい手洗いの徹底によって落とすことが十分に可能です。
したがって飲食店においては適切な方法やタイミングできちんと洗い、手を清潔に保つことが重要となるのです。
飲食店における手洗いマニュアルをスタッフに徹底する方法

せっかくマニュアルを作成してもスタッフ全員が周知しておらず、正しく手洗いができていなければ、食中毒リスクが高まってしまいます。
たったひとりがきちんと手洗いしていなかったがために、食中毒が発生してしまったケースもあり、スタッフへの教育も全員へ徹底しなければなりません。
もちろん口頭で伝えることも効果的ですが、それだけではなく工夫を凝らして手洗いの重要さをスタッフへ周知させることが重要です。ここでは有効な方法を2つご紹介しましょう。
啓発ポスターを掲示
啓発ポスターを掲示しておく ことで、常にスタッフの目に触れ、自然と正しい手洗いの方法が身につきます。
手洗い場はもちろん、休憩室など目につきやすい場所に掲示しておくことで、スタッフの意識向上につながります。
以下のサイトなどで無料でダウンロードできる資料もあるため、必要に応じて印刷して活用するのもおすすめです。
講習会の開催
定期的に講習会を開催し、手洗いの目的や意味などをきちんと学ぶ機会をつくることも効果的です。
手洗いの方法だけでなく、なぜ行う必要があるのかなどその根拠も深く知ることで、主体的な行動ができるようになります。
全員での講習会が難しいなら朝礼時にテーマを決めて行ったり、勉強会として少人数で開催したりするのがおすすめです。
スタッフも無理なく取り組めて、意欲的な学びにつながります。
まとめ:飲食店では手洗いマニュアルを徹底して食中毒を予防しよう

例年飲食店で食中毒は発生しています。原因はさまざまですが、スタッフの手洗い不足が食中毒を招いてしまったケースは少なくありません。
万が一食中毒が発生してしまった場合のリスクを考えると、 手洗いマニュアルを作成しスタッフへ徹底しておくことの重要 さが理解できるはずです。
あらためて手洗いの重要さを再確認し、正しい方法を身につけましょう。
まとめ
- 飲食店では手洗いをマニュアル化することで食中毒予防につながる
- 正しい手洗いのマニュアルはスタッフ全員で共有することが重要
手洗いマニュアルを徹底し、おいしいだけでなく安心安全な料理をお客様へ提供したいですね!
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