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真空包装のメリット・デメリットは?ボツリヌス食中毒の原因になることも!

真空包装のメリット・デメリットは?ボツリヌス食中毒の原因になることも!

食中毒対策

食中毒衛生管理

「業務用の真空包装機を導入したいと考えている」
「真空包装することでどんなメリットやデメリットがあるんだろう」
袋内を真空状態にして食材を保存する「真空包装」は、食品工場や外食産業などさまざまなシーンで活躍する包装方法です。
導入を考えているという事業者さんも多いのではないでしょうか。
そこで今回は 導入する前に知っておきたい、真空包装のメリットやデメリット について解説します。
メリットの多い真空包装ですが、思わぬデメリットもあり、場合によってはボツリヌス菌による食中毒を引き起こす危険性もあるため、あらかじめ注意点を知っておきたいですね。
「真空包装は便利な反面、注意点もあります。正しく知って導入しましょう」
あわせてボツリヌス菌による食中毒を防ぐためにできることも解説しています。最後まで内容をチェックしてくださいね。

真空包装のメリット・デメリットは?

真空包装のメリット・デメリットは?
食品を真空包装することによるメリットやデメリットには、以下のような点が挙げられます。
メリット デメリット
・食品の変質を防ぐ・保存性を高める ・専用の機械が必要になる
さらに詳しい内容を以下で挙げていきましょう。

真空包装のメリット

真空包装のメリット
食品を真空包装で保存することで、次のような多くのメリットが得られます。うまく活用することで商品の価値を上げ、利益アップにもつなげられるはずです。

メリット1:おいしさ長持ち

真空包装は袋の中だけでなく 食材に含まれる空気も抜くことで、鮮度を保ちおいしさを長持ちさせることが可能 です。
しっかりと密閉された包装内では食品酸化や乾燥を防ぎ、味や香りの変化を遅らせられます。食品の型崩れや食感が悪化することの予防にもつながります。
また真空包装されたものをそのまま冷凍保存すれば霜がついたり、匂いが移ったりするとを防ぎ、より長くおいしさを保てます。

メリット2:衛生管理のしやすさ

真空包装することで 酸化による食品の変質や、細菌の繁殖による腐敗を防ぎ、衛生的に管理・保存 できます。
密閉して保存されることで細菌の付着や増殖のリスクを減らせて、二次汚染の防止にもつながります。さらに異物混入の予防にも有効です。

メリット3:調理作業の効率化

真空包装は 調理作業の効率化 にも一役買います。
まず食品内の空気までしっかり抜くことで、マリネや煮物などの漬け込み時間の短縮が可能です。必要な調味液や煮汁も少量ですみ、コスト減にもつながります。
さらに真空包装した状態で調理済みのメニューを冷蔵や冷凍しておけば、温めるだけですぐ料理を提供できます。
レストランなどで調理に手間のかかるメニューはあらかじめ真空包装して保存しておけば、おいしさをキープしたまま時短での提供が叶いますね。
また食材が安いときや余ったときに真空包装した上で冷凍保存しておけば、長期保存できてコスト減や食材ロスの防止にもつながります。

真空包装のデメリット

真空包装のデメリット
真空包装にはメリットだけでなく、デメリットもあります。導入後に「こんなはずじゃなかった……」と後悔しないよう、あらかじめ確認しておきましょう。

デメリット1:初期費用やランニングコストが必要

真空包装を導入するには 初期費用やランニングコスト がかかります。
まず専用の真空包装機を購入する必要があり、その価格は数十万から100万円を超えるものまでと決して安くはありません。
加えて専用の真空袋やテープなどの消耗品の購入も必要です。さらに定期的な機器の点検やメンテナンスも必要となる点も確認しておきましょう。

デメリット2:ボツリヌス食中毒の原因になりうる

真空包装で保存した食品はボツリヌス菌が増殖するリスクがあり、 「ボツリヌス食中毒」の原因 になることがあります。
2012年には鳥取県で真空包装された「あずきばっとう」を食べた夫婦がボツリヌス食中毒を発症した事例が報告されています。
衛生管理がしやすい真空包装ですが、ボツリヌス食中毒のリスクがある点をきちんと把握した上で利用することが重要です。

真空包装でなぜボツリヌス食中毒になるの?

真空包装でなぜボツリヌス食中毒になるの?
空気を遮断し、食中毒菌などの細菌の増殖を減らすはずの真空包装ですが、なぜボツリヌス食中毒のリスクが高いのでしょうか。
ボツリヌス菌は「偏性嫌気性菌」と呼ばれ、酸素がない状態を好む細菌です。
そのため真空包装などの密閉空間が大好き。
酸素が少ない状況でどんどん増殖して毒素を産生し、食材とともに摂取することで食中毒を引き起こします。
厄介なことにボツリヌス菌は土壌や海、川など自然界の至るところに存在し、あらゆる食材にそのリスクが伴うのです。

ボツリヌス食中毒は命にかかわることがある

ボツリヌス食中毒は命にかかわることがある
ボツリヌス菌は 「最強の自然毒素」とも呼ばれ、毒素を摂取することで短時間で命にかかわるおそれ があります。
ボツリヌス食中毒の症状は次の通りです。

ボツリヌス食中毒の症状

  • 神経と筋肉の伝達を遮断
  • 筋肉を麻痺させて吐き気やおう吐
  • 言語や視力の障害
  • 嚥下困難
  • 呼吸困難
万が一にも製造している食品が原因でボツリヌス食中毒を引き起こすとがあれば、消費者の命を危険にさらしかねません。
また営業停止処分や場合によっては営業許可取り消しとなる場合もあり、十分に留意する必要があります。
それでは真空包装を行う際にはどのような点に気をつければ、ボツリヌス食中毒を防げるのでしょうか。以下で詳しく解説します。

真空包装でボツリヌス食中毒を防ぐためにできること

真空包装でボツリヌス食中毒を防ぐためにできること
ボツリヌス食中毒を防ぐためには、以下のような点に気をつけて真空包装を活用しましょう。

洗浄と温度調節でボツリヌス菌をつけない・増やさない

もっとも重要な点は、ボツリヌス菌をつけない、増やさないことです。
前述したようにボツリヌス菌は自然界のあらゆる場所の存在し、食材の汚染を防ぐことはできません。そのため調理の前にしっかりと洗浄し、菌を洗い流しましょう。
またボツリヌス菌は3℃未満では増殖しないといわれているため、食材の低温保存も有効です。
毒素を産生する ボツリヌス菌の芽胞は熱に強く、120℃4分間の加熱でなければ死滅しません。
したがって他の食中毒菌のように加熱で対策することはあまり現実的ではないと考えた方がよいでしょう。

冷蔵状態で流通させる

真空包装で販売する食品は生産から消費までを 冷蔵状態(10℃以下)で管理し流通 させましょう。ボツリヌス菌の増殖や毒素の産生を予防します。
もちろん販売だけでなく、保存や保管の際も冷蔵、もしくは冷凍状態を保つことが重要です。

消費者に分かるよう明確に表示する

真空包装を施して販売する食品のラベルには、 冷蔵が必要なことを明確に表示 しましょう。
文字の大きさや色、配置する場所を工夫し、消費者がすぐ分かるように明示することが重要です。
真空包装の食品は常温保存が可能なレトルト食品と勘違いしやすい形状。そのためうっかり常温で保存してしまう消費者も少なくありません。
そういったリスクを減らすためにも、冷蔵を要する食品であることを明記する必要があります。

まとめ:真空包装のメリット・デメリットを知り、ボツリヌス菌に注意して活用を

まとめ:真空包装のメリット・デメリットを知り、ボツリヌス菌に注意して活用を
真空包装の導入はメリットが多く、初期費用やランニングコストの問題をクリアできるのであればぜひ前向きに検討することをおすすめします。
ただしボツリヌス菌による食中毒のリスクがあることを知っておき、導入の際には正しく対策することを忘れないようにしましょう。

まとめ

  • 真空包装は食品を長持ちさせ、衛生管理しやすくするメリットがある
  • ボツリヌス食中毒のリスクがあるため注意する必要がある
便利な真空包装を業務に取り入れ、上手に活用したいですね。

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