「飲食店の床掃除をスタッフに任せているけどやり方が1人ひとり違う。」
「飲食店の床掃除を徹底させたいけど何から始めればいいの?」
飲食店の床掃除の正しい方法をご存知ですか?
今回は飲食店の床掃除の正しい手順から定期的なメンテナンスまでを解説します。
この記事を読めば、飲食店の床を清潔に保つことができるでしょう。
「飲食店の床は意外と汚れやすい場所。お客さんの目にも止まりやすいので、しっかりと掃除しましょう」
【エリア別】飲食店の床掃除、毎日行う正しい手順をチェック
床掃除は厨房・客席の2つのエリアに分けられます。
エリアごとに床の素材や環境が変わるので、
- 掃除方法
- 清掃道具
- 洗剤
を使い分けるようにしましょう。
厨房エリアの床掃除手順をチェック
厨房エリアの床は、食中毒予防のため目に見えるところは綺麗に掃除されているところが大半だと思います。
でも作業台や機器の下・奥の見えない場所に食品残渣やほこりが残っていませんか?
食品残渣やほこりは掃除手順を間違えるとより奥の方にいってしまい、余計に掃除しにくくなってしまいます。
それが 害虫や匂い発生の要因 になるので注意が必要です。
ここで正しい床掃除の手順をチェックして、見えない場所の掃除も徹底しましょう。
手順1:ホウキや掃除機でごみやほこりを除去
厨房エリアの床掃除のポイントは、 水を流す前にごみやほこりをできるだけ除去する ことです。
掃除機やホウキで奥から手前の順番に、ごみやほこりを集めていきましょう。
面倒だからと、水を流してから掃除するとごみやほこりが奥にいったり、広がったりしてしまいます。
手順2:水を流す
ごみやほこりを除去したら、水を流します。
ごみやほこりが残ったまま水を流すと、排水溝の詰まりの原因になりますのでご注意ください。
手順3:洗剤で汚れをシャットアウト
床に水を流したら、中性洗剤を床にまいて、デッキブラシなどでこすり洗いをします。
ひどい油汚れがあるときは、油汚れ用洗剤を使用 しましょう。
ただし、油汚れ用洗剤はアルカリ性なので
- アルミニウム
- 銅
- 亜鉛
- 銀
- 錫
に付着すると変色したり穴が空いたりするのでご注意ください。
こすり洗いを終えたら、水で洗剤を洗い流します。
おすすめの床掃除用の洗剤については、以下の記事に詳しく書かれていますので、合わせてご覧ください。
手順4:排水溝の掃除
まず排水溝の蓋を外し、ごみを除去します。
排水溝の蓋にもほこりやごみが挟まっていることがあるので、ブラシなどでしっかりこすり洗いしましょう。
排水溝の中は、 デッキブラシなどを使って汚れやヌメリを取ります。
ラーメン店など床が油で汚れやすいお店では、排水溝も油汚れ用洗剤を使い、しっかり掃除します。
手順5:床を除菌
除菌剤または希釈した塩素系漂白剤を床にまいて10分置き、除菌します。
出典:業務用 塩素系漂白剤】キッチンハイター 5Kg(花王プロフェッショナルシリーズ)│Amazon
10分間浸け置きしたら、水でしっかり洗い流しましょう。
また、ヌメリ取り剤など酸性用の洗剤と塩素系漂白剤が混ざると有毒ガスが発生し大変危険 です。
混ざらないよう気を付けるとともに、塩素系漂白剤を使うときには、必ず換気を行いましょう。
手順6:床の水気を切る
床に水気が残ったままだと、そこから菌やカビが繁殖します。
水で洗い流したらスクイジーや乾いたモップで水気を切り乾燥させましょう。
排水溝に溜まった水気も忘れずに乾燥させます。
客席エリアの床掃除手順をチェック
客席エリアの床は、
- 入口付近…砂ほこりやごみ
- 客席付近…食べかす
によって汚れやすくなっています。
とくに 食べかすは匂いや害虫発生の要因 になるので注意が必要です。
客席エリアの床は、お客様の目に留まりやすいので、営業中もごみの除去―清掃を徹底しましょう。
手順1:ホウキや掃除機でほこりやごみを除去
客席エリアの床は、砂ホコリが多いのでいきなり濡れたモップなどで拭いてしまうと、砂やほこりが床の隙間に挟まってしまいます
厨房エリアの床と同じようにまずは、 掃除機やホウキでできるだけほこりやごみを取り除きましょう。
手順2:洗剤を浸けたモップで床を拭く
ごみやほこりを取り除いたら、中性洗剤を浸けたモップで床を拭きます。
- 厨房エリアと客席エリアの境目
- 店の出入り口
はとくに汚れやすい場所です。
念入りに掃除することをおすすめします。
油汚れなど汚れの酷い箇所があるときは、アルカリ性洗剤を床にまき、しばらく置いてからモップで拭くと汚れが落ちますよ。
またカーペットの床を使用している場合は、カーペット用の洗剤と布巾を使って汚れを落とします。
汚れを落とそうと、 カーペットを布巾で強く擦ると汚れが広がったり傷んでしまったりする 恐れ があります。
ポンポンと叩くように汚れを落としましょう。
手順3:濡れたモップなどで洗剤を流す
客席エリアの床は厨房エリアと違い、排水溝がないので水を流して洗剤を落とせません。
水で濡らしたモップで洗剤を落としましょう。
このときにお湯で濡らしたモップで洗剤を落とすと、床が乾きやすいのでおすすめです。
手順4:乾いたモップで水気を切る
洗剤落として濡れた床は、乾いたモップで水気を切りましょう。
床が濡れたままだと、厨房の床と同じように菌やカビが繁殖します。
また、床が濡れたままだと滑りやすくなるので、お客様が転倒してしまう恐れもあります。
飲食店の床掃除は私たちの想像以上に汚い!
飲食店の床は、
- 食品カスや調味料
- 油汚れ
- 水垢
- 土やほこり
など毎日さまざまな汚れが付着します。
床の汚れは毎日掃除しないと蓄積していき、
- 悪臭の発生
- カビや細菌の温床
- 害虫の発生
の原因となり、お店の衛生環境に悪影響を及ぼします。
床の汚れによる従業員・お客様の転倒事故や、床からの2次汚染による食中毒という事例も発生しているので軽視できません。
事故を防ぐためにも、飲食店の床掃除は毎日行いましょう。
飲食店の床の定期的なメンテナンス
飲食店の床は毎日の掃除が大事ですが、定期的なメンテナンスも大事です。
定期的なメンテナンスは主に以下の2つになります。
メンテナンス1:ワックス掛け
客席エリアの床は定期的にワックスをかけましょう。
ワックスをかけると、床に膜を作り保護するので傷や汚れが付きにくくなります。
見た目もキレイなのでお店のイメージUPにもつながるでしょう。
しかしながら、 ワックスは1度かければOKというわけではありません。
イスを引いたりした時や歩いた時にできた小さな傷により徐々に剥がれてしまいます。
ワックスの種類によりますが、
ワックスの頻度
- 半年に1回…ワックスの塗り重ね
- 5年に1回…ワックスの塗り直し
が必要になります。
メンテナンス2:入口マットの定期的な交換
出入り口のマットには、お客様の靴底についた砂やほこりをマットで受けとめ、店内に持ち込ませない効果があります。
入り口マットは砂やほこりで汚れやすいので、毎日開店前に砂ほこりを落としましょう。
また、しばらく使っていると素材によっては毛羽立ったり、隙間に砂利が入り込んで取れなかったりすることがあります。
1ヵ月に1回の頻度で交換 するようにしましょう。
業者などに依頼すると、定期的に交換・洗浄してくれるのでお手入れがラクになりますし、清潔感も保てます。
まとめ:床掃除で清潔感のある飲食店づくりを
飲食店の床は汚れやすく、お客様の目にも届きやすいので毎日の清掃が大事です。
また、 掃除手順を誤ると床に傷がついたり、菌やカビを繁殖させる恐れがある ので気を付けましょう。
まとめ
- 床掃除は厨房エリアと客席エリアで掃除の仕方が違う
- 濡れた床は菌やカビが繁殖するのでしっかり乾燥させる
- 床掃除は毎日行うが定期的なメンテナンスも忘れない
床掃除を怠ると、害虫や食中毒の発生を招きお店の維持すら危ぶまれます。
床掃除はなかなか骨の折れる作業ですが、毎日正しい方法で行い清潔感のある店づくりをしましょう。