「食品工場での個人衛生の管理は何をしたらいいのかな」
「食品工場において個人衛生の管理は身だしなみだけでは不十分?」
食品工場における個人衛生の管理は非常に重要です。
今回は食品工場での個人衛生管理のポイントについて、具体的に解説します。
この記事を読めば個人衛生管理の対策を理解でき、異物混入や食中毒の発生リスクを大きく減らせるはずです。
「過去には食品工場で個人衛生管理を怠り、大規模な食中毒が発生した事例もあります」
あわせて個人衛生管理を従業員へ徹底指導するための方法についても解説していますので、ぜひ最後まで読んでくださいね。
目 次
食品工場における個人衛生管理、理想の服装・身だしなみは?
食品工場では、
- 毛髪や繊維などの異物混入防止
- 衣類からの食品汚染防止
のため、 身だしなみや服装を清潔に整えた上で作業する 必要があります。
正しい服装や身だしなみは次のポイントを参考にして整えましょう。
食品工場の正しい身だしなみのポイント
- フルフードタイプの帽子をかぶる
- 髪の毛は帽子の中に入れ込む
- マスクや手袋を着用する
- 上下長袖の作業着を着る
- アクセサリーは外す
- 爪は短く切り、マニキュアはしない
- においの強い香水や化粧品の使用は避ける
「一人くらいできていなくても大丈夫だろう」と思うのは非常に危険です。
たった一人、清潔な身だしなみができていないために、異物混入や食品汚染を引き起こしてしまうことは珍しくありません。
また、調理従事者でないスタッフが調理室へ立ち入る際も、同じように身だしなみを整えるようにしましょう。
身だしなみ以外の食品工場における個人衛生管理のポイント4つ
食品工場における個人衛生の管理は服装や身だしなみだけではありません。以下のようなポイントにも気をつける必要があります。
個人衛生管理ポイント1:手洗いの徹底
手洗いは個人衛生の基本です。
過去には たった一人が手洗いを怠ったために大規模な食中毒事故を招いたケース もあり、従業員全員が高い意識で手洗いを徹底する必要があります。
手洗いは二度洗いが効果的です。爪ブラシを使い、細かい部分もしっかり洗いましょう。
洗い終えたら温水ですすぎ、清潔なタオルかペーパータオルで拭いてください。
手は温度や水分、栄養が豊富で、実は菌が繁殖しやすい場所です。
リーフレットやポスターを使って従業員に啓発するとわかりやすく、正しい手洗いの徹底につながります。
また、食品工場においては手洗い専用の手洗い設備を整備することをおすすめします。
これは手を洗う際に使った水が、食品や資材などにかからないようにするためです。
個人衛生管理ポイント2:手指の傷
食品工場では 手指の傷 に気をつけなければなりません。
傷口には黄色ブドウ球菌が繁殖し、食中毒の原因菌となるケースが多いためです。
そこでシフトインの際に手指に傷がないかチェックするようにしましょう。
もし手指に傷がある場合には工場指定の絆創膏を着けるよう指導します。
一般的に「ブルーバンテージ」と呼ばれる、金属が使用された青い絆創膏を着けるケースが多いようです。
市販の絆創膏は肌の色に近いものが多く、 万が一食品に混入してしまった際、見つけられない可能性 があります。
一方ブルーバンテージは、もし食品の中に混入した場合でも金属探知機で検知が可能です。また混入に気づきやすい青色で、迅速な発見につながります。
シフトインの際にブルーバンテージに交換して現場に入り、シフトアップの際には紛失などしていないことを確認した上で、市販の絆創膏に替えるようルール化しておくと良いでしょう。
個人衛生管理ポイント3:持ち込む物の管理
食品工場では持ち込む物を必要最低限に抑えましょう。
とくに物理的危害の原因となるガラスや、カッターの刃やクリップ、ホチキスなど金属製の備品はできるだけ持ち込まないようにします。
また、持ち込む物はリストに記入し、退場する際にすべての物があるか確認しましょう。
メガネやコンタクトレンズ、補聴器など必要な物は持込可能な「ポジティブリスト」として管理し、不要な物が持ち込まれるのを防ぎます。
個人衛生管理ポイント4:健康状態の管理
従業員の健康状態を把握することも、重要な個人衛生管理のひとつです。
シフトインの際に健康チェック表を記入することをルールにすると管理しやすくなります。
項目はそれぞれですが、最低限でも下痢やおう吐、発熱や手指の傷の有無を確認できるようにしておきましょう。
重要なのは正直に記入してもらうことです。管理者としては、健康管理ができていないとつい従業員を責めてしまいがちですが、虚偽の申請が横行する原因になりかねません。
もしも健康チェックの項目に×印の記入があったとしても責めるのは管理者としてNGです。
むしろ 正直に申請してくれたことを褒める ようにしたいですね。
食品工場での個人衛生管理、従業員への指導を徹底するには?
ここまで食品工場における個人衛生管理の重要さや実践のポイントについて解説してきました。
しかし実際に従業員が個人衛生管理について理解し、行動に移さなければ、効果はありません。
そこで食品工場での個人衛生管理について従業員へ指導を徹底するためのポイントを解説します。
明確にルール化する
個人衛生の管理について、明確にルールを定めましょう。手洗いの方法や身だしなみ、健康管理などすべてルール化し、従業員すべてに周知します。
小さな食品工場などには個人衛生の管理にまつわるルールが存在していない場合があるかもしれませんね。限られた従業員数で、わざわざ明文化する必要がないと考えているからかもしれません。
しかし衛生感覚は人それぞれで、従業員の数に関係なく暗黙の了解で管理を徹底するのは難しいものです。
そこで個人衛生の管理について 明確にルール・マニュアル化し、対応させることが重要 です。
なぜそのルールがあるのか示す
ルールを周知させるだけでなく、なぜそのルールが存在するのかという意義もあわせて示す ようにしましょう。
もしルールを守れなかった場合どんな事態が起こるのか、リスクについて認識させるのも効果的です。
一人が手洗い不足だったために大規模な食中毒が発生したなどの事例を用いて解説するとわかりやすく、より危機感を持って対応できるようになります。
反復し、丁寧に教育する
従業員への個人衛生管理教育は一度だけでなく、何度も繰り返す必要があります。
教えた直後は個人衛生への意識は高いものの、徐々に薄れていってしまいます。そのため定期的に教育の場を設けたり、手洗いなど実践的なトレーニングを行ったりしましょう。
教える側にとっても、自身の個人衛生管理について見直す良い機会となるはずです。
まとめ:食品工場での個人衛生管理を見直そう
食品工場において何よりも優先すべきは衛生管理であり、とくに個人衛生をおろそかにすると、食中毒や異物混入のリスクが高まるため、注意しなければなりません。
まとめ
- 食品工場における個人衛生管理は身だしなみや手洗いなどを徹底する
- 個人衛生管理はルール化し、丁寧に教育して従業員の意識を高める
たった一人、管理ができていないだけで事故やトラブルにつながるケースは多く、従業員全員へ徹底する必要があります。
食品工場における個人衛生管理の重要さについて見直し、あらためていきたいですね。
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