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食品衛生法における溶出試験とは?食品事業者が容器や包装紙を選ぶ際に注意したい点

食品衛生法における溶出試験とは?食品事業者が容器や包装紙を選ぶ際に注意したい点

テイクアウト

飲食店衛生管理

「食品衛生法で定められた溶出試験とはどういうもの?」
「溶出試験はどのように行うんだろう?」
食品に直接触れることが想定される容器や包装、器具などは、食品衛生法に基づいた溶出試験をクリアしたもののみ製造販売を認められています。
今回は 食品事業者も知っておきたい、食品衛生法で定められた溶出試験 について解説します。
食品用容器や包装、器具の正しい選び方のポイントを知っておき、より安全な食を提供しましょう。
「食品事業者も溶出試験の重要さについて知っておく必要があります」
あわせて改正食品衛生法によって導入されたポジティブリスト制度についても解説していますので、最後まで内容をチェックしてくださいね。

食品衛生法で定められた溶出試験とは?

食品衛生法で定められた溶出試験とは?
食品用の器具や包装容器のほとんどは化学物質で構成されたプラスチックなどで作られています。
それらは 食品に触れることで化学物質が溶け出し、場合によっては人の健康を損なうなどのおそれ があります。
そのようなリスクを引き起こさないためにも、器具や包装容器から化学物質がどの程度溶け出すのかを測定するのが溶出試験です。
試験後、食品衛生法で定められた規格基準よりも化学物質が多く溶け出すことが判明した場合は製造や販売できません。
対象となるのは食品用の器具や容器、包装です。
また、乳幼児が舐めたり、飲み込んだりする可能性のある6歳未満を対象としたおもちゃも溶出試験を行う必要があります。

食品衛生法における溶出試験の方法

食品衛生法における溶出試験の方法
溶出試験は食品の代わりに、 食品の特徴を模した食品擬似溶媒 と呼ばれるものを使って行われます。
試験対象の容器包装や食品器具の試料(サンプル)を溶媒で満たし、一定時間放置。
その後溶媒を試験溶液として取り出し、さまざまな機器を使用してどの程度化学物質が溶け出しているかなどを測定して試験結果を得ます。
食品疑似溶媒を利用するのは、食品はさまざまな種類がある上に、数多くの成分で構成されており、実際に食品で試験を行うと分析が複雑、困難になるためです。
たとえばpHが5以上の食品であれば水を、pH5以下の酸性食品なら4%酢酸を使うといった具合です。
酒類は20%エタノール、油脂及び脂肪性食品はヘプタンと呼ばれる石油中に含まれる物質を使います。

食品事業者が溶出試験について知っておくべき理由|実際にあったトラブル事例

食品事業者が溶出試験について知っておくべき理由|実際にあったトラブル事例
ここまでの解説で、溶出試験は食品事業者にあまり関係ないと思われた方もいらっしゃるかもしれません。
しかし溶出試験にまつわる知識がないと、 食品用でない容器包装や器具の食品への使用で、発生するリスクを知らないまま食品事業に従事してしまう ことになります。
万が一、人体に有害な化学物質が溶け出し、お客様の口に入ってしまったら……と考えると非常に恐ろしいですよね。
実際にこういったリスクを知らないまま、トラブルを引き起こしてしまったケースはあります。
2020年に「風呂桶を食器や酒器代わりとして飲食店で提供し、販売元が注意喚起を行った」という出来事がニュースとして流れ、記憶にある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
これは入浴の際に使われるべき風呂桶を、飲食店で料理を盛ったり、お酒を入れたりしていた事例が発覚し、風呂桶の販売元がそういった不適切な使用をやめるよう呼びかけたというものです。
驚くべきことに、風呂桶を食器や酒器として提供した飲食店は1店舗ではなく、数十店舗にものぼっています。
飲食店側は「映え」やインパクトを狙って使用したのかもしれませんが、もちろん風呂桶は食品用に作られたものではなく、 場合によっては何らかの化学物質が料理やお酒に溶け出す可能性 があります。
もし飲食店側に溶出試験や容器包装や器具の安全性についての正しい知識があれば、このような事態には発展しなかったはずです。
幸い被害の報告はありませんでしたが、お酒に含まれるアルコールや熱い料理などは、容器の成分が溶出するのを促すため、万が一のリスクもあったと考えられます。
こういった事態を招かないためにも、飲食店など食品事業者は食品の容器包装、器具の安全性について正しく知っておきましょう。

食品用器具・容器包装のポジティブリストとは?

食品用器具・容器包装のポジティブリストとは?
2020年6月、改正食品衛生法の施行によって、食品用器具・容器包装に 「ポジティブリスト制度」が導入 されました。
ポジティブリスト制度とは「安全性が確認された物質のみ使用できる」という規制のしくみです。
以前は「ネガティブリスト制度」が採用され、「規制されていない物質の他は自由に使用できる」と規制されていました。
しかしより国際的な整合性の確保を見据え、より安全性が高く合理的なポジティブリスト制度の導入となった次第です。
まずは 合成樹脂(プラスチック)のポジティブリストを先行して導入 しています。
将来的にはペットボトルや缶などその他の素材も対象となり、それまではこれまでの制度に沿って規制されます。
また、合成樹脂はポジティブリスト制度が導入されましたが、引き続きこれまでの規制も適用されるため、実際にはこれまでの制度にポジティブリスト制度が追加された形となりました。

食品事業者は溶出試験をクリアしている容器を選ぶべき

食品事業者は溶出試験をクリアしている容器を選ぶべき
最近はテイクアウト需要の高まりから、持ち帰り用の容器や包装をこれまで以上に利用している飲食店は増えているのではないでしょうか。
業者から仕入れるだけでなく、100円ショップなど市販の物を利用しているケースもありますよね。
市販のラッピングアイテムや容器などは必ずしも食品用とは限りません。食品以外の物を入れることを想定している場合も多いものです。
そのため、 購入の際は必ず食品用かどうかを確認 するようにしましょう。
また、ポジティブリスト制度化にともない、企業間で情報提供もできるようになりました。
容器包装や器具の製造業者に、材料や使用している物質がポジティブリストに適合しているか確認し、溶出試験の結果などの情報を共有してもらうことが可能です。
食品工場などでは製品の安全性をより高めるためにも、 製造業者に対して必要に応じて情報提供を求める とよいでしょう。

まとめ:食品事業者も食品衛生法で定められた溶出試験について知っておこう

まとめ:食品事業者も食品衛生法で定められた溶出試験について知っておこう
溶出試験そのものは容器包装のメーカーが第三者機関に依頼して実施するため、食品事業者に直接関係するわけではありません。
しかし食品用の容器包装や器具の使用にあたって、その 安全性をしっかり確保するために溶出試験についても知識を得ておく ことをおすすめします。
まとめ
  • 溶出試験は食品用容器包装や器具を使用の際に溶け出る化学物質を測定する試験
  • 食品事業者は溶出試験をクリアした容器包装や器具を使うべき
コロナ禍でテイクアウト用の容器や包装を使う機会がグッと増えました。
安心して口にできる商品を提供するためにも、容器包装や器具の安全性にも気を配りたいですね。

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