保健所による飲食店の抜き打ち検査とは?拒否はできる?

衛生管理 個人衛生

「保健所から飲食店に抜き打ち検査があるって本当?」
「保健所の抜き打ち検査はどんなときに行われるのかな」
飲食店の経営者にとって気になるのは、保健所による抜き打ち検査ではないでしょうか。
そこで今回は保健所によって行われる抜き打ち検査について詳しく解説します。
いつ、どんなタイミングで、どんな検査が行われるのかなど、なかなか知るチャンスのない抜き打ち検査。これらについて知っておくことで、日頃の衛生管理の見直しにもつながるはずです。
「保健所からの抜き打ち検査は飲食店にとって改善の機会と捉えよう!」
もしも抜き打ち検査で問題があった場合、どのような指導や処分が行われるかについても解説していますので、最後まで内容をぜひチェックしてくださいね。

保健所による飲食店の抜き打ち検査とは?知っておきたいQ&A

保健所による飲食店の抜き打ち検査とは?知っておきたいQ&A
保健所による飲食店の抜き打ち検査とは、一体どのようなものでしょうか? 以下、気になる疑問を詳しく解説します。

どんなときに抜き打ち検査が行われる?

抜き打ち検査は臨時検査ともいわれ、
  • お客さんや近隣住民からの苦情やクレーム
  • 従業員からの内部告発
を受けて臨時的に実施される検査のことです。
店舗で集団食中毒が発生した場合にも抜き打ち検査が行われます。
また、保健所による飲食店の検査は定期検査として「立入検査」や「収去検査」も行われます。
立入検査とは調理設備や衛生管理を確認するための検査。
一方、収去検査は提供している食事そのものを検査することです。
こちらは自治体などによって異なりますが、数年に一度ほどのペースで実施されるケースが多いようです。

事前連絡はあるの?

抜き打ち検査と称するものの、多くの場合は保健所から事前に告知があるようです。
しかし、集団食中毒の発生など緊急を要する場合には、予告なく突然検査にやってくる場合もあります。
もし予告があったとしても直前に連絡がくる場合がほとんど。これは被害の拡大を防ぐために、一刻を争う必要があるためです。

具体的な検査内容は?

抜き打ち検査では店舗の設備や衛生管理の体制や、提供した食事の検食を調べる検査などが行われます。
とくに食中毒が発生した場合には検査とともに、次のような聞き取りが行われることがあります。

抜き打ち検査で聞かれる内容

  • 症状を訴えたお客様が来店した日時
  • 当日の来客者数
  • その他苦情の連絡の有無
  • 原因だと考えられるメニューの調理工程
  • スタッフの健康状態
その他、仕入れや調理に関する資料を求められる場合もあります。
また、衛生管理のマニュアルや、冷蔵庫の温度チェック表などの記録が必要となったり、従業員の検便が実施されたりすることも。
食中毒発生にともなう抜き打ち検査の場合にはできるだけ早く原因を特定し、被害が広がらないようにするために、さまざまな検査が行われます。

保健所による飲食店の抜き打ち検査は拒否できる?

保健所による抜き打ち検査には法的な拘束力はありません。
したがって、検査を拒否することもじつは可能です。
しかし食品衛生法に基づき、検査を拒否したという事実が事業者名や代表者名、所在地などとともに一般公表されてしまいます。
これは抜き打ち検査だけでなく、定期的な立入検査や収去検査も同じく検査を拒否した場合にはその旨が公表されます。
いずれにせよ公表されてしまうと「検査を拒否した飲食店」として知れ渡ってしまい、イメージダウンは免れません。
そのため抜き打ち検査であっても、保健所によって行われる検査は拒否せずに、きちんと受けておくべきだといえるでしょう。

保健所による飲食店の抜き打ち検査で問題があったら?3つの指導・処分パターン

保健所による飲食店の抜き打ち検査で問題があったら?3つの指導・処分パターン
保健所による飲食店の抜き打ち検査の結果、何らかの問題があった場合、指導や処分の内容が直轄の保健所によって、検査後数日〜1ヵ月以内に判断されます。
飲食店側は、基本的に保健所からの指導や処分に従わなければなりません。
とはいえ、何らかの問題があった場合、必ず営業停止処分などになるわけではありません。
保健所による指導と処分には、以下のような3つのパターンに分類できます。

パターン1:口頭指導

調理などの衛生面の改善を目的とした、口頭による指導です。
食材の衛生管理や調理設備の不備などを自主的に改善したり、時には営業自粛が求められたりする場合もあります。

パターン2:書面指導

口頭指導をされてもその内容に従わなかった場合、書面による行政指導が行われます。
さらに各自治体や保健所などのホームページなどで事業者名や処分の内容、指導内容などが一定期間公表されます。

パターン3:行政処分

行政処分では前述した指導とは異なり、法的な拘束力があります。

  • 営業許可取消
  • 営業停止
  • 営業禁止
のいずれかの処分が下され、行政指導に比べて重いのが特徴です。
また、行政処分においても、その旨が各自治体や保健所などのホームページにて公表されます。
営業停止処分の場合、数日や数週間など期間が決まっていますが、営業禁止処分では期間の決まりがありません。
さらに改善の見込みがない場合には営業許可取消処分となる、非常に重い処分が下されてしまいます。
ただし、これらの処分に納得ができない場合、

  • 行政不服審査法に基づく不服申し立て
  • 行政事件訴訟法に基づく抗告訴訟
などで対応することも可能です。
とはいえ、行政処分は飲食店側に何らかの問題がある場合に下されるものです。
したがって基本的にきちんと受け入れ、改善へ向けて取り組まなければなりません。
とくに食中毒を発生させてしまった場合は、再発防止に向けて最大限の努力をする必要があります。
行政処分後には保健所からあらためて事業者への説明や衛生管理の重要さに関する講習会が開かれます。
従業員とも情報の共有を図り、店舗全体の意識を変えていくことも肝心です。

まとめ:保健所による飲食店の抜き打ち検査は改善のチャンス

保健所による飲食店の抜き打ち検査は改善のチャンス
保健所による飲食店の抜き打ち検査に対し、いい印象を持つ人は少ないかもしれません。
確かに、抜き打ち検査に限らず立入検査や収去検査であっても、面倒だと感じてしまいますよね。
しかし、保健所は飲食店に欠かせない衛生管理について、プロの視点から助言や指導をしてくれる頼れるサポーター。
よりよい飲食店経営のための是正や勧告をしてくれる存在だと考え、もし指導や処分を受けた場合にも改善に機会だと捉えて前向きに対応することが肝心です。

まとめ

  • 保健所による飲食店の抜き打ち検査は苦情はクレームがあった際や、食中毒が発生した場合などに実施される
  • 検査で何らかの問題があった場合には行政指導や行政処分が下される
日頃の店舗における衛生管理についてあらためて見直し、万が一保健所の抜き打ち検査を受けた場合にもきちんと対処できるようにしておきたいですね。