「飲食店での検便の頻度が知りたい!」
「飲食店での検便はなぜ定期的に行わなければいけないのかな?」
飲食店における検便の頻度は法律で定められていないので、どのようなタイミングで検査を実施すればいいのか悩んでいる方も多いようです。
そこで今回は飲食店における検便の頻度について解説しましょう。
検便について理解を深め、お客さまに安心安全な食事を提供するためにも最後までチェックしてくださいね。
「飲食店でも検便は必須! 頻度をチェックして確実に受けましょう」
他にも検便を受ける必要があるのはどんな人なのかなど、気になる点についても解説しています。
目 次
飲食店で必要な検便の頻度は?施設によって変わる
検便は腸内の菌を把握するための検査です。 飲食業や食品営業に関わる人は安全な食品や食事を提供する義務があり、そのためには検便の実施が欠かせません。
菌によっては重症化や死亡のリスクが発生する場合もあり、決してないがしろにできない検査です。
ここでは、飲食店以外にも検便が必要な大量調理施設・学校給食施設のケースもご紹介します。
飲食店経営者やその従業員の検便の頻度【月1回が理想的】
食品衛生法において、飲食店における検便実施の頻度は定められていません。
しかし食中毒のリスクを減らすためにも定期的な検査をする必要があり、 月に1回の実施が理想的 だといえます。
各都道府県で条例として定められてはいますが、検便の実施はそれぞれの飲食店に委ねられており、残念ながらあまり守られていないのが実情のようです。
万が一の危険性を考慮し、飲食店においても月1回の検便を実施しましょう。
大量調理施設における調理従事者の検便の頻度【月1回以上】
厚生労働省「大量調理施設衛生管理マニュアル」によると、 大量調理施設における調理従事者は、月1回以上の検便を受ける よう定められています。
大量調理施設とは食品製造施設など「同一メニューを1回300食以上または1日750食以上提供」する調理施設のことです。
基本的な検査項目は次の通りです。
検査項目
- 赤痢菌
- サルモネラ属菌
- 腸管出血性大腸菌血清型O-157
などですが、10月~3月は感染リスクの高まるノロウイルスも項目に加えることをおすすめします。
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学校給食従事者の検便の頻度【月2回以上】
文部科学省「学校給食衛生管理の基準」によると、 学校給食従事者は月に2回以上の検便の実施 が定められています。
万が一学校給食で食中毒が発生した場合、感染被害に遭うのは多くが子どもたちであり、とくに慎重に検査を実施しなければなりません。
検査項目は、大量調理施設の場合と同じで、必要に応じて、その他細菌等の検査も合わせておこないます。
飲食店の従業員に定期的な検便を実施すべき3つの理由
意外と頻繁に検便を実施しなければならないのかと思われたかもしれません。
確かに一度実施したのであれば、それほど頻繁に検査を行う必要はないような気もしますね。
それでは飲食店や調理施設において、定期的に検便を実施しなければならないのは一体なぜでしょうか?
定期検便が必要な理由1:大規模な食中毒リスクを減らすため
飲食店では不特定多数の人々に食事を提供します。
そのため、もしも従事者が感染を引き起こす菌を保有していた場合、 大規模な食中毒被害が起こるリスクが非常に高まってしまいます。
もしも飲食店で食中毒が発生した場合、店舗の信用にかかわるだけでなく、感染者への賠償責任なども発生。
重症化や場合によっては命にかかわる危険性もあり、小さな飲食店であっても衛生管理には気を配らなければなりません。
定期的な検便により、従業員や従事者の保菌状況をいち早く知ることがリスクを減らすことにつながります。
定期検便が必要な理由2:不顕性感染者を見つけるため
食中毒を引き起こす菌を保有していても症状があらわれない「不顕性感染」の場合があり、不顕性感染者を見つけるためにも定期的な検便が必要です。
症状があらわれないため、菌を保有していることに気づかないまま勤務してしまい、 自覚がないまま周囲に菌を広げてしまいかねません。
菌を保有しているかどうかは検便でしか調べられないため、定期的な検査が必要です。
定期検便が必要な理由3:陰性の結果が出てもその後、陽性となる可能性があるため
検便の結果、陰性だったとしても、その後陽性となる可能性は十分に考えられます。
外出したり、食事をしたり、ペットや動物と触れ合うなど、普段の何気ない活動が菌を保有するきっかけとなってしまうためです。
したがって一度陰性が出たからといってその後検便を受ける必要がないというわけではなく、定期的に検査をする必要があるのです。
飲食店で検便を受ける必要のある人は?
検便の頻度や必要性について理解したところで気になるのが、誰が検便を受けなければならないのかという点ではないでしょうか。
以下の2つのポイントを参考に、検便の対象者を決めましょう。
調理従事者・厨房担当者
検便の目的は菌による食中毒予防であり、食品や食材に触れる調理従事者、厨房担当者は必ず検便を受ける必要があります。
食品に触れる可能性があるならホールスタッフも必要
調理をしないホールスタッフであっても配膳の際などに食事に触れる可能性があれば、検便を受けるようにしましょう。
事務担当者やレジ業務のみなど、食品に直接触れる可能性が一切ない場合には検査対象から外してもかまいません。
まとめ:飲食店の理想的な検便頻度は月1回!
食品衛生法では検便の頻度は定められていませんが、飲食店でも従業員への検便は定期的に実施する必要があります。
「罰則が決められていないから…」、「費用がかかるから…」という理由で検便を行わないでいると、保菌者に気づけず、食中毒を引き起こすリスクが高まります。
まとめ
- 飲食店における検便の頻度は月1回
- 被害が広範囲に及ぶ食中毒リスクを減らすため定期的に検便を実施する必要がある
食中毒は、大人では大した症状は出ないかもしれませんが、 子どもや高齢者の場合、重症化し死亡する危険 もあります。
また死亡事故に至らなくても、食中毒を出した飲食店は信用を失い、閉店まで追い込まれる恐れがあります。
お客様に安心で安全な食事の提供をするためにも、経営者はスタッフの健康管理にも責任を持ち、定期的な検便を実施しましょう。
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