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HACCPの製造工程図を作成しよう!現場チェックはなぜ必要か解説【HACCP導入手順4・5】

HACCPの製造工程図を作成しよう!現場チェックはなぜ必要か解説【HACCP導入手順4・5】

HACCP

「HACCPにおける製造工程図の作成の仕方を知りたい」
「製造工程図を作成する際にはどんな点に注意すべき?」
HACCPに取り組む際、その要となるのが製造工程図です。
しかし何をどのように書いたらいいかわからない、という事業者さんは多いのではないでしょうか。
>そこで今回は手順4・手順5の製造工程図の作成について解説します。

手順4・手順5の製造工程図の作成について解説
誤ったやり方で製造工程図を作成すると、後に危害分析を正しく行えず、万が一のリスクに備えられない可能性があります。
「製造工程図は原材料の受け入れから出荷までを可視化したもの。正しく作成してHACCP運用に役立てましょう!」
あわせて製造工程図の重要性についても解説していますので、最後まで内容をチェックしてくださいね。

HACCPの製造工程図を作成しよう(HACCP導入手順4)

手順4:製造工程をフローダイアグラムとして示す | 低コストでの導入とHACCPの導入事例|全国菓子工業組合連合会

出典:手順4:製造工程をフローダイアグラムとして示す | 低コストでの導入とHACCPの導入事例|全国菓子工業組合連合会

製造工程図とは、原材料を受け入れ、製造し、出荷するまでの流れを時系列で見える化した図のことです。

「フローダイアグラム」とも呼ばれ、現状を把握するために重要な役割を果たします。

できるだけシンプルかつ正確に分かりやすく、製造部門以外のスタッフにも理解できるようなレベルで作るのがポイントです。

HACCP運用の基本にもなるため、正しく作成することに注意しましょう。

また作成の際には現場の見取り図があると作りやすく、用意しておくことをおすすめします。

HACCPの製造工程図に入れておくべき項目

製造工程図はその名の通り、製造の工程を項目として記します。

それだけでなく製品を構成するすべての原材料も項目として記入する必要があります。

以下、製造工程図の作成の手順と必要な項目をご紹介しましょう。

1.横軸に原材料や添加物、包装資材を記入する

手順4:製造工程をフローダイアグラムとして示す | 低コストでの導入とHACCPの導入事例|全国菓子工業組合連合会

出典:手順4:製造工程をフローダイアグラムとして示す | 低コストでの導入とHACCPの導入事例|全国菓子工業組合連合会

主となる原材料をもっとも左に配置し、配合する順番に左から右へと記入します。

原材料が多い場合、ある程度はグルーピングしてもかまいません。

たとえば「冷凍煮物用野菜」や「生食用野菜」といった具合です。

ただしその特性や入荷の形態、保管の温度帯が違うものはグルーピングせず、分けて考える必要があります。

包装資材の場合にも、食品に直接触れるものと触れないものは分けて考えましょう。

2.縦軸に作業工程を記入する

手順4:製造工程をフローダイアグラムとして示す | 低コストでの導入とHACCPの導入事例|全国菓子工業組合連合会

出典:手順4:製造工程をフローダイアグラムとして示す | 低コストでの導入とHACCPの導入事例|全国菓子工業組合連合会

次に縦軸に各材料の作業工程を記入します。

以下に例として具体的な工程を挙げてみます。

名称 具体的な工程
受入 納入された原材料や包装資材を受け入れる工程。受入時の形態や温度帯などを確認。加工品の場合には製品企画書でアレルゲンの有無を確認。
保管 原材料の保管や製造中に一時寝かせるための保管、出荷前の保管など。保管の際の温度帯を確認。
計量 原料や副原料、水などを混合する前に重さを計る工程。
調合 軽量した原料や副原料などを混ぜる工程
加熱 食材に火を通す工程。加熱といっても何かを溶かすためなら「溶解」や「加温」など名称に設定しておくと、作業の目的が分かりやすい。
冷却 加熱後の食材の粗熱をとる、食中毒菌の増殖温度帯をすみやかに通過させるなど温度を下げる工程。
包装 製品を包装用容器に入れて封をする工程。
金属探知機 製品を金属探知機に通す工程
検品 原材料の一次処理や出荷前の確認など、正常な状態かを確認するための工程
出荷 最終製品が自社から卸先に向けて出荷される工程。基本はお客様に届くまでが自社の責任の範囲。ただしトラブルの際に回収責任者をはっきりさせる必要があるため、どこまでが自社の名義となるかを確認。

名称はそれぞれの事業者によって違うこともあるため、普段使っている呼び方でかまいません。

3.各工程に番号を振る

手順4:製造工程をフローダイアグラムとして示す | 低コストでの導入とHACCPの導入事例|全国菓子工業組合連合会

出典:手順4:製造工程をフローダイアグラムとして示す | 低コストでの導入とHACCPの導入事例|全国菓子工業組合連合会

作成した製造工程図の各工程に番号を振りましょう。

後に行う危害分析の際に番号順に確認していくためです。

HACCPの製造工程図を現場で確認しよう(HACCP導入手順5)

HACCPの製造工程図を現場で確認しよう(HACCP導入手順5)

製造工程図が出来上がったら、次は現場で実際に確認します。

ポイントは一人だけに任せず、編成した自社内のHACCPチームで確認を行うことです。

一人だけに任せた場合、見逃しや見落としが発生する可能性が高まります。

製造工程図を正しく作成するためにも、チームでの確認が必要です。

確認を行うのは従業員の動きが見える作業中がベストです。

作成した製造工程図とかけ離れた箇所はないかしっかりと確認し、異なる点を見つけたらチームで確認後、図の修正を行いましょう。

また「手順6」はチーム全員で現場を確認できる良い機会でもあります。

実際に各工程の作業を自分自身で確認し、理解することで、衛生管理の現状や問題点などを知るきっかけになるはずです。

製造工程図と実際の工程を照らしあわせるだけでなく、その他にも気づきはないか意識しておきたいですね。

HACCPの製造工程図は作りっぱなしにしない!

HACCPの製造工程図は作りっぱなしにしない!

「手順4」で作成した製造工程図は、「手順5」で現場で確認する必要があります。

「チームで作成したのならわざわざ現場で確認しなくてもいいのでは?」と思われる方も多いかもしれません。

しかし現場を見ずに作った製造工程図は、抜けている工程が意外とあるケースが多いのです。

「じつはここで冷蔵庫に保管するんだった!」

「ここの作業は機械と手作業のどちらもあった!」

「ここの工程は順番が逆だった!」

など、実際に現場を見た後に修正する必要があるケースは決して少なくありません。

つい現場のフローは把握しているのが当たり前だと思い込んでいることが多いものです。

そのため机上で製造工程図を作成後、現場で必ずチェックし、照らし合わせておきましょう。

またHACCP運用後も製造工程に変更があった際には、その都度修正することも忘れないようにしたいですね。

誤った製造工程図を作成したときのリスク

HACCP導入において、製造工程図を正しく作成することがこんなにも重要視されているのはなぜでしょうか。

それは製造工程図は危害要因分析の情報源となるためです。

製造工程図作成後、「手順6」以降では工程のどんなところにリスクが潜んでいるか、危害要因の分析を行います。

したがって誤った情報や事実の製造工程図では、正しく危害要因を分析できません。

さらに万が一事故やトラブルが発生した際に原因の追及も難しくなってしまいます。

せっかく衛生管理の手法として導入したはずのHACCPが十分に機能せず、もしものリスクに備えられないことにもなりかねません。

そのため製造工程図は念入りに作成する必要があるのです。

まとめ:HACCPはチームが重要!メンバーで役割分担をして製造工程図をよりよいものにしていこう

まとめ:HACCPはチームが重要!メンバーで役割分担をして製造工程図をよりよいものにしていこう

HACCPの運用において、製造工程図はその後の危害要因分析の際に重要な役割を果たします。

正しい製造工程図を作るためにもチームで取り組み、完成後は現場での確認を怠らないようにしましょう。

まとめ

  • 製造工程図は一人に任せきりにせず、チームで作成する
  • 誤った製造工程図では万が一のリスクに備えられないことがある

製造工程図はHACCP運用の基本となる図です。万が一のリスクの備えにもなるため、チーム全体でよりよいものを作成できるよう、取り組みたいですね。

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