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食品衛生法が15年振りの改正!7つの概要をわかりやすく解説

食品衛生法が15年振りの改正!7つの概要をわかりやすく解説

HACCP

衛生管理飲食店

「食品衛生法が改正されてどんな点が変わった?」
「食品衛生法の改正でどんなことをやらなければならなくなった?」
2018年6月、15年ぶりに食品衛生法が改正・公布されました。
どんな点が変わったのかわからない食品事業者の方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、食品衛生法の改正の変更点を7つのポイントにわけてわかりやすく解説します。
「食品衛生法改正によって義務化された取り組みもあります。忘れずチェックしておき、対応しましょう!」
あわせて食品衛生法が改正された理由についても解説しています。
改正の背景を知り、より高い意識を持って日々の衛生管理に努めましょう。

食品衛生法の改正!7つの概要をわかりやすく解説

食品衛生法の改正!7つの概要をわかりやすく解説

食品衛生法の改正にともない、次の7つのポイントの見直しが行なわれました。

食品衛生法改正7つのポイント

  1. HACCPに沿った衛生管理の制度化
  2. 営業許可業種の見直し・営業届出制度の創設
  3. 食品のリコール情報は行政への報告
  4. 広域的な食中毒事案の対策強化
  5. 特別の注意を必要とする成分等を含む食品への健康被害情報の届出を義務化
  6. 食品用器具・容器包装にポジティブリスト制度を導入
  7. 輸入食品の安全性確保

それぞれのポイントについて詳しく解説しましょう。

食品衛生法改正1:HACCPに沿った衛生管理の制度化

今回の食品衛生法改正の目玉ともいえるのが、HACCPによる衛生管理の制度化です。

2021年6月から完全施行され、原則としてすべての食品事業者にHACCPによる衛生管理が求められます。

食品衛生法改正2:営業許可業種の見直し・営業届出制度の創設

現状に見合うよう営業許可業種が見直され、営業許可が必要な業種が34種から32種に変更されました。

これは単に数が減ったわけではなく、原材料や製造工程が共通する業種が統合されるなどしたためです。

また、新たに営業届出制度が創設されました。

これにより、営業許可が不要だった業種が届出の対象に、またこれまで営業許可が必要だった業種が、届出に変更といった変更が行なわれています。

食品衛生法改正3:食品のリコール情報は行政へ報告

自社で製造や輸入した製品にリコール(自主回収)が必要となった場合、都道府県への届出が義務化されました。

これはリコールに関する情報を各行政がきちんと把握し、的確な監視や指導を行うためです。

届出されたリコールの内容は都道府県から国に報告され、厚生労働省のホームページなどで公表されます。

食品衛生法改正4:広域的な食中毒事案の対策強化

都道府県をまたぐような広域にわたって発生した食中毒事案に対し、国や都道府県が相互に連携し、情報共有や協力できるよう対策が強化されました。

具体的には、地域ブロックごとに「広域連携協議会」が設置され、感染源の早期発見や対応に力を入れられるようになったことが挙げられます。

これまで広域で発生した事案を取りまとめる組織がなく、対応が遅れることが多かったことを受けた形です。

食品衛生法改正5:特別の注意を必要とする成分等を含む食品への健康被害情報の届出を義務化

健康食品のうち、厚生労働省が特別な注意が必要と認める成分を含む食品によって健康被害が出た場合、行政への届出が義務化されるようになりました。

近年、サプリメントなどによる被害が増えていることが背景です。

たとえばホルモンのようなはたらきを持つ成分が含まれている食品において、製造管理の不備によって含有量が均一でなかったり、科学的根拠に基づかない摂取目安量が設定されていたりしたために、健康被害が生じたケースがあります。

また、これまで健康被害に関する情報収集が制度化されていないことを原因に、必要な情報の収集・共有ができていませんでした。

このような実態を受け、今後は事業者に健康被害情報の届出義務が、都道府県などの保健所は厚生労働省に報告義務が課されます。

食品衛生法改正6:食品用器具・容器包装にポジティブリスト制度を導入

食品用の器具や容器、包装の原材料に含まれる物質は安全性が担保されたもののみを使用できる、「ポジティブリスト」制度が導入されました。

多くの海外の国でポジティブリストが採用されている一方、これまで国内では使用を制限する物質を定める「ネガティブリスト」制度が採用されていました。

ネガティブリストの制度の場合、海外で使用が禁止されている原材料でも規格基準を定めるまで国内で規制することができません。

つまり、安全性が確認されていない原材料でもネガティブリストに記載がなければ使用可能ということです。

そこでポジティブリストを採用することで、今後は安全性が確保できない原材料に対して規制をかけられるようになります。

食品衛生法改正7:輸入食品の安全性確保

食品を輸入する際にはHACCPに基づく衛生管理の確認や、乳製品や水産製品の衛生管理証明書の添付が必要な条件となりました。

これまでは輸入時に検査することで対策していましたが、国内でHACCPが制度化されたことにともない、より確実に輸入品の安全性を確保できる体制が整えられました。

また、輸出時にも輸出先国の衛生要件を満たせるよう、国や自治体で衛生証明書を発行するなどを法規定することが定められています。

食品衛生法改正!その理由は?

食品衛生法改正!その理由は?

食品衛生法が改正されたのは2003年以来、実に15年ぶりのことです。

前回の改正時にはBSE問題や偽装表示問題などを受け、食の安全に対する国民の不安が高まったことが背景にありました。

一方、今回改正された背景には以下のような点が挙げられます。

理由1:外食や調理食品へのニーズの高まり

近年、共働き世帯や65歳以上の夫婦のみ世帯の増加などから、お惣菜などすぐ食べられる食品を購入したり、テイクアウトやデリバリーを利用したりといった中食や外食のニーズが高まっています。

以前と比べて私たちのライフスタイルや食生活は変化し、それにともなった衛生管理の手法などが新たに必要だと考えられます。

理由2:東京オリンピックに向けた準備

東京オリンピックパラリンピックの開催にともない、国際的な衛生管理の基準と整合性をとる必要があります。

実は日本の食品衛生の手法は、諸外国に比べ後れを取る部分が多く、オリパラ開催をきっかけに国内の食の安全基準を押し上げたいという狙いもあるのです。

理由3:食中毒や異物混入発生数が下げ止まり

毎年食中毒や異物混入などの事故が後を立たず、発生件数も約2万人でここ数年下げ止まっています。

また、都道府県を越える広域的な食中毒の発生、健康食品による被害なども多く、これらに対応し、食の安全を取り戻したいとの狙いもあります。

まとめ:食の安全を守るために改正内容をチェックしよう

まとめ:食の安全を守るために改正内容をチェックしよう

今回の食品衛生法の改正は、これまで課題とされてきたことにしっかりと向き合ったものとなっています。

食品事業者にとっては負担が大きい部分もありますが、今後は求められる食の安全基準がより高まり、きちんと取り組まなければなりません。

まとめ

  • 食品衛生法の改正でHACCPの制度化を始め、大きく7つのポイントが見直された
  • 食品衛生法改正の背景にはライフスタイルや食生活の変化、国際化への対応が挙げられる

食の安全を確保するためにも、今回の改正内容をしっかりチェックし、取り組んでいきたいですね。

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