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開封後の原材料はいつまで使用できる?使用制限ルールの決め方

開封後の原材料はいつまで使用できる?使用制限ルールの決め方

食中毒対策

食中毒衛生管理

食品の製造現場では、日々大量の商品を製造するため、多くの原材料を必要とします。

一度開封した原材料はそのまま使い切るのが原則ですが、商品によっては少量しか使用しないこともあるでしょう。

このとき余った原材料は、しっかりと封をして適切な場所に保存しますが、このとき決められたルールに従い、使用期限を記載する必要があります。

今回は、開封後の原材料がいつまで使用できるのかを定める、使用制限ルールの決め方や消費期限との違いについて解説します。

使用期限管理に便利なツールもご紹介しますのでぜひご覧ください。

使用制限ルールとは?

使用制限ルールとは、食品事業者が独自に決めた原材料の使用期限です。

製造現場では日々大量の商品を製造するため、一度の稼働で全ての原材料を使い切れない場合もあります。

開封後の原材料は種類や状態にもよりますが、開封済みのものを全て廃棄してしまうのは、コストがかかりますしフードロスにも繋がります。

そこで食品事業者は、開封後の原材料を消費期限を越えない範囲で、期限を決めて管理するのです。

使用制限ルールと消費期限の違い

食品の賞味期限・消費期限は、未開封の状態かつ定められた方法で保存した場合の期限です。

賞味期限・消費期限も使用制限ルールと同じく、食品事業者が決めます。

しかし各食品事業者が独自で期限を決めてしまうと、同じ種類の製品の賞味期限・消費期限が製造する事業所で大きく異なってしまうでしょう。

そのため、消費者庁では各事業者に「食品期限表示の設定のためのガイドライン」に基づき、適正な期限設定を設けるよう指示しています。

各事業所はガイドラインに沿って賞味期限や消費期限を設定するため、同じような製品で期限が大きく異なることはありません。

一方、使用期限は開封・解凍または調理済みの状態の食品を適した場所で保存する場合の期限です。

食品は開封や解凍・調理してしまうと品質や衛生状態を保てなくなるため、保存期間は短くなります。

また使用制限には、賞味・消費期限のような明確なルールがありません。

各事業所が常識の範囲内で使用期限を決める必要があります。

使用制限ルールの決め方

使用制限ルールの決め方は、賞味期限・消費期限と異なり国が提示するガイドラインは存在しません。

そのため、各事業所が独自で使用期限を決める必要があります。

しかし、使用期限が長すぎると品質低下や食中毒リスクが高まります。一方で、短すぎると食品ロスやコスト増につながるため注意が必要です。

使用制限ルールは、賞味期限・消費期限の設定と同じく次の項目を考慮しながら決めましょう。

科学的根拠に基づいた期限を設定

開封や解凍、調理済みの食品は、科学的根拠に基づいた期限を設定しましょう。

科学的根拠に基づいた期限を設定するため、事業所内または外部の第三者機関に以下の試験を行うのがおすすめです。

  • 理化学試験
  • 微生物試験
  • 官能検査

開封・解凍、調理済の原材料が時間の経過によってどのように品質低下したり、菌が増加したりするのか各試験結果の指標を見ながら判断します。

それぞれの検査項目や内容については、以下の記事で詳しく解説していますので、ご覧ください。

食中毒リスク

温度管理が必要な原材料は、開封したり解凍したりしてしまうと、食中毒菌の増殖スピードが早まるものがあります。

鮮魚や精肉など生鮮食品はリスクが高く、一旦解凍してしまったものを利用する際の使用期限は、冷蔵庫で保管していても数時間以内と期限は短めに設定しなければなりません。

一方、昆布や乾物など食中毒菌が増殖しにくい食品は、開封済みであっても、封をしていれば数日~数か月と長めに設定することが可能です。

品質低下リスク

原材料の中には、一度開封や解凍してしまうと、著しく品質が低下してしまうものもあります。

また、開封・解凍後の品質低下はゆるやかなものの、保存状態が悪いと品質低下のスピードが早まる食品もあります。

品質低下した原材料を使って商品を製造した場合、安全性に問題がなくても味や食感、見た目に問題が出てしまうかもしれません。

開封後の食品の使用期限ルールを決めるときには、時間の経過や保管状態によってどれくらいの品質が低下するかも考慮する必要があります。

製品の特性

商品の原材料の1つ1つに対して使用制限ルールを設定するのは大変です。

またルールが多くなればなるほど現場の負担が増えるため、かえって事故リスクが高まる恐れがあります。

原材料の使用制限ルールを決めるときは、製品の特性をジャンル分けして決めるとよいでしょう。

たとえば、乳製品など食中毒リスクが高い製品の使用制限は開封後、冷蔵保存で翌日の営業日までと短めに設定します。

一方、乾物などリスクの低いものは、開封後に封をした状態で1年以内など長めに設定します。

使用制限ルールを決めないとどうなる?

使用制限ルールを決めずに、現場の従業員個人の判断で開封・解凍、調理済の原材料の使用・不使用を任せていたら、製造された商品の品質および安全が保てなくなります。

その結果、食中毒リスクが高まりリコールや事故対応に追われてしまう可能性があるでしょう。

また、事故が起こらなくても使用制限ルール決めずに従業員個人の采配で原材料を使用していることは、遅かれ早かれ世間に知られてしまうでしょう。

そうなると、「使用制限ルールを決めず、安全や品質の保証ができない商品を製造している会社」のレッテルを貼られ、売り上げに大きな影響が出ることが予想されます。

このことから、食品事業者は食品毎に使用制限ルールを決め、従業員に周知徹底しましょう。

また使用制限ルールを逸脱した原材料は、品質に問題がなくても廃棄するよう指示します。

開封後の原材料を管理するときの注意点

使用制限ルールを決めたとしても、保存状態が悪いと定めたルールよりも早く食品が劣化し、食中毒や品質低下リスクを招くので注意が必要です。

ここからは、開封後の原材料を管理するときの注意点を確認しましょう。

適切な保管場所で保存

原材料を開封または解凍した後は、製品の特性や状態に合わせて適切な場所で保存しましょう。

たとえば解凍した食品を使い切れずに保管する場合、常温でそのまま置いてしまうと劣化が進み、食中毒菌が増殖してしまいます。

また、アレルゲンを含む原材料を使い切らずに保管する場合、他の原材料と同じ場所に保管してしまうと交差接触してしまう恐れがあるため注意が必要です。

適切な保存方法を守る

原材料を開封または解凍した後は、適切な保存方法を守り保管場所に入れましょう。

例えば、開封済みの小麦粉を保管する場合、袋を確実に閉じないと虫や異物が混入したり、湿気によってカビが生えたりしてしまう恐れがあります。

一方、野菜や果物などの生鮮食品は、封をしたりラップでくるんだりするなど乾燥を防ぐ対策をしないと、品質低下を招く恐れがあります。

開封後の食品を使用するのであれば、保存方法にも十分気を付けましょう。

決められた使用期限内に使い切る

一度開封した原材料は、使用制限ルールで決めた使用期限内に使い切るようにしましょう。

使用期限内に使い切れなかった原材料は、廃棄処分します。

一度開封した原材料の期限は短いため、見た目は問題がなくても菌が増殖していたり、品質低下していたりする恐れがあるからです。

開封済みの原材料から使用する先入れ先出しの管理を徹底し、食品ロスを減らしましょう。

使用期限を目立つ場所に記載する

決められた使用制限ルールに従って、開封済の原材料を保管しても、肝心の使用期限が記載されていなければ意味がありません。

使用期限は原材料毎に異なるため、開封済みの原材料の目立つ場所に大きく記載します。

また、開封済みの原材料を使用するときには、記載された使用期限が過ぎていないか必ず確認するようにしましょう。

使用期限の管理はキッチンペッタがおすすめ!

開封済みの原材料は、製品の特性に応じて、事業者が使用制限ルールを作り、使用期限を管理していきます。

開封済みの原材料には、使用期限を記載する必要がありますが、商品に直接使用期限を記載することはできません。

商品が入っている袋やビンに記載することもできますが、袋の素材やビンの内容物によっては記載した使用期限が見辛くなることもあるでしょう。

使用期限が正しく記載されていても、確認する人が期限を見誤ってしまったら、食中毒リスクや品質低下リスクが高まります。

そこで、使用期限管理におすすめしたいのが、キッチンペッタです。

キッチンペッタ

製品名 アオトプラス キッチンペッタウィークリー
ブラック、レッド、ブルー
サイズ 42×60mm

貼って剥がせる付箋タイプの使用期限メモで、開封日、品目、廃棄日そして担当者を記載する欄が設けられています。

色もブラック・ブルー・レッドの3種類を用意しているので、曜日や食材の特徴などで色分けして使用することもできます。

またキッチンペッタは人体と環境に優しい水性糊を使用しているため、食材を包むラップや袋、ビンに貼り付けても害はありません。

使用期限を見誤る、記載ミスを防ぐためにも、ぜひキッチンペッタを使用期限管理のツールに加えてみてはいかがでしょうか。

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【記事監修】株式会社エッセンシャルワークス 代表取締役 永山真理
HACCP導入、JFS規格導入などの食品安全、衛生にまつわるコンサルティング、監査業務に10年以上従事。形式的な運用ではなく現場の理解、運用を1番に考えるコンサルティングを大事にしている。

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