「HACCP導入にはコンサルをお願いした方がよいのかな」
「HACCPコンサルタントの選び方を知りたい」
どうやってHACCPの導入をおこなったらよいかわからない場合は、コンサルタントへの相談がおすすめです。
専門のコンサルタントなら現状に合わせた取り組み方を示唆してくれるため、効率よくHACCPを導入することができます。
とはいえ、はどのような基準でコンサルタントを選べばよいか悩む場合も多いでしょう。
今回はHACCP導入の際のコンサルタントの選び方について詳しく解説します。
「事業者とともに伴走してくれるコンサルタントを選ぶのが秘訣です!」
同じゴールに向かうコンサルタントとともに、一体となってHACCPに取り組みましょう。
HACCPのコンサルの選び方を現役HACCPコンサルタントが解説!
HACCPコンサルタントは信頼できる人を選ぶことがもっとも重要です。
当たり前ですが、不信感のある人とは信頼関係が結べず、ともにHACCPに取り組むことは難しいですよね。
コンサルタントを選ぶ際にはできる限り直接会って話をして、信頼できると納得した上で契約することをおすすめします。
ここからは、現役HACCPコンサルタントで以下の資格を保有している株式会社エッセンシャルワークス 代表取締役 永山真理が、【失敗しない】HACCPコンサルタントの選び方を解説します。
- FSMS審査員補(IRCA)
- JFS-A/B規格監査員
- NSF Japan 食品安全主任監査員
- 国際HACCP同盟登録JHTC認定 HACCPリードインストラクター
- 日本HACCPトレーニングセンター エリアオフィサ―
- 中級食品表示診断士
信頼できるHACCPコンサル会社の選び方とは?自社に合った会社を選ぶチェックポイント
HACCPに沿った衛生管理が求められるようになったことから、コンサルを依頼したいと考えている食品事業者は多いのではないでしょうか。今回は信頼できるHACCPのコンサル会社を選ぶチェックポイントをご紹介します。...
【HACCPコンサルタントの選び方】こんなコンサルタントを選ぼう
それでは実際にコンサルタントを選ぶ際、どのような点を基準とすればよいのでしょうか。
以下のポイントを重視し、信頼できるかどうかを判断するとよいでしょう。
HACCPコンサルタントの選び方1:コミュニケーション能力が高い人を選ぶ
まず重視すべきはコミュニケーション能力が高いかどうかです。
事業者が抱える悩みや目的を的確に捉え、対策を考えて実行するためにはコミュニケーション能力が欠かせません。
もちろんコンサルタントには分析力やリサーチ能力なども重要ですが、それ以前にうまくコミュニケーションが取れないと対応が的外れとなってしまいます。
こちらの話にしっかり耳を傾けてくれるか、わかりやすく解説してくれるかなど、コミュニケーションが取りやすいかどうかをしっかりチェックすることが重要です。
とはいえ、コミュニケーション能力の高さや相性を図るのはなかなか難しいものです。
そこで、ここではコミュニケーション能力が高い人の特徴をまとめてチェック表にしてみました。
次のチェック表を参考に、HACCPコンサルタントのコミュニケーションが上手くいくかどうか判断してみましょう。
!コミュニケーション能力チェック表
- コミュニケーションツール(電話、ZOOMなど)が会社のツールと合致してる
- コミュニケーション頻度(週1MTG、月1MTGなど)の相性がいい
- 企業のカルチャーにフィットした人柄だと率直に思う
- ミーティングや打ち合わせで事前に議題を知らせてくれる
- 会議や電話だけじゃなく資料やメールなどのエビデンスが残るツールでコミュニケーションしてくれる
- 商品や企業のことに関して分からないことはためらわずに質問してくる
- 専門用語や難しい言葉をわかりやすく別の言葉に置き換えて説明してくれる
チェック表の項目に複数当てはまるコンサルタントであれば、円滑にコミュニケーションが取れてHACCP運用もきっとうまくいくでしょう。
HACCPコンサルタントの選び方2:現場の声も汲み取れる人を選ぶ
現場の声を聞き、しっかりと汲み取ってくれる人を選びましょう。
HACCPの取り組みには現場の力が必須です。
したがって上層部や机上の話だけでHACCPの導入を進めてしまうと、現場とのズレが生じるおそれがあり、取り組みがうまくいかないおそれがあります。
たとえばモニタリングは、現実的で現場に無理のない範囲で行う必要があります。
もし現場の声を無視して、過剰な負担のかかるモニタリングの方法を設定していしまうと、結果的にきちんとHACCPを運用できないということになりかねません。
現場の声をおろそかにしないことはもちろん、可能であればスタッフの本音を引き出してくれるようなコンサルタントを選ぶとよいでしょう。
HACCPコンサルタントの選び方3:自立を促してくれる人を選ぶ
最終的に事業者自らの力でHACCPを運用できるよう、自立を促してくれる人を選びましょう。
コンサルを受ける目的のひとつには、最終的に自社内でHACCPを運用できるようになることが挙げられます。
また、コンサルを受けるのには費用もかかりますよね。
具体的に何ヵ月後にコンサルタントなしで自立できるようにしてくれるのか、期間を事前に確かめましょう。
ただコンサルタントを採用する前だと、自立までの期間を尋ねても現場の状況が分からないので、答えられないこともあるかもしれません。
そのときは、お試し採用などを行い計ってもらうといいでしょう。
HACCPコンサルタントの選び方4:商品や事業に興味・関心を持ち寄り添ってくれる人を選ぶ
コンサルタントはHACCPの構築さえすればよいというわけではありません。
自社の商品や事業に関心や興味を持ってくれる人でないと、信頼関係を築くのは難しいですよね。
また、それらに関する知識がなければ、HACCPを構築するうえでも適切な指導や提案は難しく、適切なコンサルは期待できないでしょう。
HACCPコンサルタントの選び方5:現場経験がある人
HACCPコンサルタントはできるだけ現場の経験がある人を選ぶのがおすすめです。
とくに製造現場に精通していることや、さらに品質管理やマネジメントなどの経験があると、より実行力のある提案や指導が期待できます。
契約前に現場を確認してもらい、想定される危害要因や効果的な管理手段をさりげなく尋ねてみると判断の助けになるかもしれません。
【HACCPコンサルタントの選び方】こんなコンサルタントは絶対NG!
つづいて、選んではいけないコンサルタントの特徴について解説します。
次のようなコンサルタントが現れたら要注意!
注意深く観察し、これらの特徴に当てはまらないかチェックしておきましょう。
!NGなコンサルタント
- 費用がやたら高額なコンサルタント
- とにかく決めつけるコンサルタント
- 経営者/担当者/スタッフの声を聞かないコンサルタント
- 第三者認証をお金で売り込むコンサルタント
それでは1つずつ見ていきます。
HACCPコンサルタントの選び方6:費用がやたら高額な人は選ばない
提示された費用が必要以上に高額な人には注意しましょう。
コンサルにかかる費用はどのレベルのHACCP構築を目指しているか、現在の状況などによって大きく変わります。
さらにコンサルタントによっても異なり、一概にいくらといえるものではありません。
また、逆に費用が安すぎる場合にも注意が必要です。予め定められたテンプレートに沿って進めるのみで、個々の状況はないがしろにされるおそれがあります。
いずれの場合も相見積もりをとり、それぞれに比較することをおすすめします。
HACCPコンサルタントの選び方7:とにかく決めつける人は選ばない
自分の視点だけに頼り、決めつける人には注意しましょう。
HACCPの構築と一概に言っても、その手段やアプローチなどは事業者ごとに異なります。
たとえば同じような製品を作っている事業者だからといって必須管理点が同じとは限りません。それぞれの事業者ごとの環境などで大きく変わります。
しかし以前の経験だけで判断し、「似たような製品だから必須管理点も同じだろう」といった決めつけによってコンサルすると、適切な必須管理点を設定できません。
個々の状況をきちんと確認しこれまでの経験に重きをおくのではなく、現場をしっかりチェックして、その会社独自の提案やアドバイスをするコンサルタントを選ぶことも大切です。
HACCPコンサルタントの選び方8:経営者/担当者/スタッフの声を聞かない人は選ばない
現場の声を聞かず、コンサルを進める人には注意しましょう。
前述したように、HACCPの構築には現場の声が必要です。それらを聞かずに進めても、よい結果は生み出せません。
きちんとコミュニケーションを取り、それぞれの声を拾い上げてくれるコンサルタントを選ぶことは非常に重要です。
HACCPコンサルタントの選び方9:第三者認証をお金で売り込む人を選ばない
HACCPのコンサルを受ける事業者の中には第三者認証の取得を目的とするケースも多くあり、中には「お金を支払って取得しないか」と持ちかけてくるコンサルタントもいます。
そもそもHACCPの本来の目的は、第三者認証を得る事ではなく、 食品製造の衛生管理を徹底することです。
お金だけ支払って第三者認証を得たとしても、食の安全は保たれないでしょう。
さらに第三者認証を受けるには必要なステップや検査などが必要であり、そういった行為は許されるものではありません。
HACCPでコンサルタントを採用する理由
HACCPの構築や導入において、必ずしもコンサルを受けることが必要ではありません。
コンサルタントを入れず、自社内でHACCPを構築や導入することもできます。
しかしいざHACCPを導入しようとすると、
- 日常業務に負われて後回し
- 自分たちのやり方で本当に正しいのかわからない
など困難にぶつかることは少なくありません。
そんなときにコンサルタントが効率よく、適切なHACCPの構築を助けてくれます。
HACCPでコンサルタントを選び採用するメリット
HACCPのコンサルを受けるメリットとしては、経営者やスタッフにはない視点があることです。
自社内だけの取り組みでは見落としてしまったり、見つけられなかったりする視点は多いものです。
たとえば危害要因をコントロールする必須管理点の設定はHACCPにおいて非常に重要な工程ですが、自社内だけでは見逃したり誤って設定したりするおそれがあります。
コンサルタントの導入はそういったリスクを減らすことにつながります。
また、衛生管理に対する意識を高めてくれるというメリットも挙げられるでしょう。
ついおろそかになりがちな衛生管理ですが、コンサルタントによって適切かつ現実的な方法を提案してもらえることで、取り組みやすくなり、結果的に意識の高まりにつながります。
HACCPでコンサルタントを選び採用するデメリット
HACCPでコンサルを受けるデメリットとしては費用面が挙げられます。
コンサルの規模にもよりますが、数十万円〜のまとまった費用が必要となるケースが多く、決して安いとはいえません。
適切なコンサルタントを選ばないと、せっかくのコンサル料が無駄になってしまうことも考えられます。
また、HACCP導入や衛生管理をコンサルタントに頼り切ってしまうと、自社内にノウハウが蓄積されず、継続的な成長が望めません。
最終的には自社内のみで取り組めるようにすることと目的をしっかり定め、コンサルタントと協力して対策することが重要です。
まとめ:HACCPコンサルを入れただけで安心するのはNG
相性のよいコンサルタントと共に取り組むことでHACCPのスムーズな導入が実現します。
自社にとって適切なHACCPを構築するにはコンサルタントに依頼するだけで安心するのはNGです。
外部に丸投げするのではなく、あくまで外部の視点を入れるという意識でコンサルを受けるようにしましょう。
まとめ
- HACCPコンサルタントはスタッフの声に耳を傾けてくれる人を選ぶ
- HACCPコンサルタントとゴールを共有し取り組む
最終的なゴールは自社の衛生管理を見直し、事故のない安心で安全な商品を消費者に提供することです。
ゴールを見誤らずコンサルタントと協力して、HACCPの構築を行いましょう。
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