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殺菌・除菌・滅菌の違いを徹底解説!衛生管理に役立つ基本知識

殺菌・除菌・滅菌の違いを徹底解説!衛生管理に役立つ基本知識

食中毒対策

衛生管理

「殺菌・滅菌・除菌って、何がどう違うの?」

日々の衛生管理の中でよく使う言葉ですが、その意味や使い分けを正しく理解できている方は意外と少ないかもしれません。

食品事業所では、器具や設備、手指の衛生管理など、場面ごとに適した処理方法を選ぶことが求められます。

しかし、それぞれの処理の違いを知らずにいると、効果的な衛生対策ができないおそれもあります。

そこで今回は、殺菌・滅菌・除菌の違いをはじめ、それぞれの原理や適切な使い方、現場での実践ポイントについてわかりやすく解説します。

殺菌・除菌・滅菌とは?それぞれの意味と違いをわかりやすく解説

日々の衛生管理の中でよく耳にする「殺菌」「除菌」「滅菌」という言葉。

似たように使われることが多いですが、それぞれ意味や目的は大きく異なります。

区分

定義・目的

対象微生物

効果の程度

使用例

除菌

菌の数を目に見えないレベルまで「減らす」処理

細菌・ウイルスなど

一部を減らす(死滅させない場合も)

テーブル拭き、調理器具の清拭など

殺菌

菌を「死滅させる」処理。ただし全滅ではない

主に細菌

一定数を死滅させれば可

消毒用アルコールなど

滅菌

すべての微生物を「完全に除去」する処理

細菌・ウイルス・芽胞など

微生物を理論上ゼロに近づける

医療器具、無菌製造の一部工程

ここからは現場で役立つ基礎知識として、それぞれの違いをわかりやすく解説します。

「除菌」とは:菌を取り除く処理

除菌とは、物の表面に付着した細菌やウイルスなどの微生物の数を、目に見えないレベルまで減らす処理のことを指します。

ポイントは「菌をすべて死滅させる」わけではなく、「減らす」ことを目的としている点です。

たとえばアルコールや次亜塩素酸水を使ってテーブルや調理器具を拭き取るといった日常的な対応が該当します。

衛生的な状態を保つために効果的な手段ではありますが、必ずしも無菌状態になるわけではありません。

「殺菌」とは:菌を死滅させる処理

殺菌とは、主に細菌などの微生物を死滅させる処理のことを指します。

ただし、「殺菌」という言葉には「すべての菌を完全に死滅させる」という意味はなく、一定数の菌を減らすことができれば「殺菌」と表示することが可能です。

そのため、製品によって殺菌効果の程度には違いがあり、必ずしも無菌状態になるわけではありません。

また、「殺菌」という表示は、医薬部外品や薬機法に基づいた製品のみ表示が認められています。

なお、ウイルスに対しては「不活化」や「消毒」といった表現がより適切です。

「滅菌」とは:すべての微生物を完全に除去

滅菌とは、細菌やウイルス、カビ、芽胞などを含むすべての微生物を限りなくゼロに近づける処理のことです。

「除菌」や「殺菌」が菌の数を減らしたり一部を死滅させるのに対し、「滅菌」は微生物が存在する確率を100万分の1以下にすることを目的としています。

そのため、医療器具や一部の食品製造工程など、無菌状態が求められる場面で使用されます。

滅菌には、高圧蒸気やガス、放射線など、専門的な方法が用いられるのも特徴です。

「抗菌」や「消毒」との違い

抗菌とは、菌がこれ以上増殖しないように「防ぐ」ことを目的とした処理や素材の性質を指します。

つまり、今いる菌を死滅させるわけではなく、繁殖を抑える働きを持っています。

一方で、消毒とは病原性のある細菌やウイルスなど、人体や食品に害を及ぼす微生物の数を「感染のリスクがないレベル」まで減少させる処理のことを指します。

消毒には、薬剤や熱などが用いられ、殺菌・除菌・抗菌のいずれとも異なる目的と基準があります。

殺菌・除菌・滅菌の用語の使用制限と製品表示のルール

用語

使用の自由度

表示の制限

根拠となる法律・基準

表示できる製品の例

除菌

自由に使用可能

特に制限なし

特定の法規制なし

日用品・雑貨(除菌スプレーなど)

殺菌

制限あり

表示には規制

薬機法(旧薬事法)に基づく

医薬部外品(うがい薬・ハンドソープなど)

滅菌

制限あり

表示には明確な根拠が必要

医療法、薬機法、ISO等の技術基準に基づく

医療器具・滅菌済製品など

「殺菌」「除菌」「滅菌」といった衛生関連の用語には、それぞれ製品表示に関する使用ルールが定められています。

たとえば、「殺菌」という表現は、薬機法(旧薬事法)に基づき、医薬品や医薬部外品など国の承認を受けた製品に限り使用が認められています。

一方、「除菌」は特定の法律による規制がないため、家庭用洗剤や日用品など幅広い製品で自由に表示できます。

ただし、その効果や成分の根拠があいまいな場合もあるため注意が必要です。

「滅菌」は、すべての微生物を完全に除去することを意味するため、表示には高い科学的根拠や厳密な管理手順が求められます。

特に医療機器や一部の食品製造工程など、無菌性が必要とされる場面で用いられる専門的な処理です。

このように、用語ごとに表示可能な製品や根拠となる法規が異なるため、現場で使う製品の表示内容はしっかり確認する必要があります。

殺菌・除菌・滅菌の効果レベルを比較

殺菌・除菌・滅菌は、いずれも微生物への対処を目的とした処理ですが、その効果レベルには明確な違いがあります。

効果レベル

「滅菌」>「殺菌」>「除菌」

最も効果が高いのは「滅菌」で、細菌やウイルス、カビ、芽胞などすべての微生物を理論上ゼロに近づける処理です。

次に「殺菌」は、一定数の菌を死滅させる処理であり、完全に無菌にはなりませんが感染リスクの低減には有効です。

そして「除菌」は、菌の数を目に見えないレベルまで減らす処理であり、死滅させることを目的とはしていません。

このように、どこまで菌を減らすかという目的の違いによって、処理方法や使用場面も異なります。

たとえば、滅菌は医療器具や無菌充填などに使われ、殺菌や除菌は調理器具や作業台、手指の衛生管理など、食品事業所の様々な場面で使い分けられています。

用途別!殺菌・除菌・滅菌の使い方と適切な場面

殺菌・除菌・滅菌の処理は、対象や場面に応じた方法を選ぶことが大切です。

調理器具やふきん、冷蔵庫内、手指・設備など、それぞれに適した処理を行わないと、菌が残って交差汚染や食中毒の原因になる恐れがあります。

ここからは、用途別に効果的な処理方法と注意点を分かりやすく解説します。

調理器具の除菌と洗浄

調理器具は、食材に直接触れるため衛生管理がとても重要です。

使用後の器具はまず洗剤と水でしっかり洗浄し、目に見える汚れを取り除いたうえで、除菌処理を行うことが望まれます。

除菌とは、器具の表面に付着している細菌やウイルスの数を目に見えないレベルまで減らす処理であり、アルコールや次亜塩素酸水などの除菌剤を用いて行います。

特に包丁やまな板など、交差汚染のリスクが高い器具には定期的な除菌が必要です。

冷凍庫や冷蔵庫内の殺菌

冷凍庫や冷蔵庫内の殺菌では、庫内に保管されている食材への影響を避けることが重要です。

高濃度の薬剤や刺激の強い成分を使うと、食品に臭いが移ったり品質が損なわれるおそれがあります。

そのため、使用する殺菌剤は食品に直接触れなくても安全性が確認されたものを選ぶ必要があります。

アルコール系や微酸性電解水など、低刺激かつ揮発性の高い薬剤が一般的に使用されます。

庫内は必ず食材を取り出してから処理し、十分な換気と乾燥も行うことが求められます。

布製品(ふきん・ユニフォーム)の処理方法

製造現場での衛生管理が徹底されていても、ふきんやユニフォームなどの布製品が不衛生であれば、そこから食材に菌が移り、汚染の原因になる可能性があります。

これらの布製品は湿気や汚れが残りやすく、細菌の温床になりやすいため、こまめな洗浄と殺菌が必要です。

高温洗浄や塩素系殺菌剤を使用するほか、乾燥まで行うことで、細菌の繁殖を抑える効果が高まります。

特にふきんは使い回しを避け、用途ごとに使い分けることも重要です。

ふきんの殺菌が難しい場合は、使い捨てのペーパータオルを導入することを検討してもよいでしょう。

手指・環境・設備で処理方法はどう変わる?

手指、作業環境、設備は、それぞれに適した処理方法を選ぶことが衛生管理の基本です。

手指には、皮膚への刺激が少ないアルコール系の速乾性消毒剤を使用するのがおすすめです。

従業員の中には、皮膚が弱い人もいるため、刺激が強い消毒剤を使用すると手荒れが生じて手に小さな傷ができてしまいます。

そこから黄色ブドウ球菌が増殖してしまうと、食品に汚染し、食中毒が発生してしまう恐れがあります。

また作業台や床などの環境表面には、広範囲に対応できる次亜塩素酸ナトリウムやアルコールが適しています。

設備機器の場合は、材質や構造に応じて薬剤の種類や拭き取り方法を調整する必要があるでしょう。

洗浄後に除菌・殺菌を行えば、交差汚染のリスクを効果的に抑えることが可能です。

殺菌・除菌・滅菌処理の落とし穴と注意点

殺菌・除菌・滅菌の処理は、食品事業所における衛生管理の要です。

しかし、薬剤の有効期限を見落としたり、処理の頻度やタイミングを誤ったりすると、思わぬ衛生リスクにつながることがあります。

ここからは、それぞれの処理の見落としやすいポイントとその対処法を詳しく見ていきましょう。

有効期限切れの薬剤に注意

殺菌・除菌・滅菌に使用する薬剤には、それぞれに定められた有効期限があるため確認しましょう。

期限を過ぎた薬剤は、成分の劣化や揮発により十分な効果が得られなくなるおそれがあり、処理したつもりでも菌が残る可能性があります。

特にアルコールや次亜塩素酸水などは保存環境の影響を受けやすく、開封後の使用期限も短いため注意が必要です。

保管方法や使用前のラベル確認を徹底し、有効な薬剤を適切な濃度で使うことが、衛生管理の基本となります。

使用頻度と処理のタイミング

殺菌・除菌・滅菌処理は、実施すればそれで安心というわけではなく、使用頻度やタイミングも重要なポイントです。

たとえば、作業前後や作業内容が切り替わるタイミングで処理を行うことで、交差汚染のリスクを大幅に下げることができます。

また、頻繁に使用される場所や器具ほど、汚染リスクが高くなるため、こまめな処理が必要です。

処理の頻度が少なかったり、タイミングを逃したりすると、衛生管理の効果が十分に発揮されないおそれがあります。

まとめ

殺菌・除菌・滅菌は、すべて衛生管理のための重要な処理ですが、意味や目的、効果のレベルには明確な違いがあります。

除菌は菌の数を減らす処理、殺菌は一定の菌を死滅させる処理、滅菌はすべての微生物を完全に除去する処理です。

これらの用語には製品表示のルールも定められており、現場での正しい理解と使い分けが求められます。

用途や対象に応じた処理を行い、薬剤の有効期限やタイミングにも注意することで、衛生リスクを最小限に抑えることが可能です。

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【記事監修】株式会社エッセンシャルワークス 代表取締役 永山真理
HACCP導入、JFS規格導入などの食品安全、衛生にまつわるコンサルティング、監査業務に10年以上従事。形式的な運用ではなく現場の理解、運用を1番に考えるコンサルティングを大事にしている。

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