「コロナ感染を予防するには、特別な設備や配慮が必要なの?」
「コロナ対策が大切と言われているけど、具体的に何をすればいいのかな?」
コロナ対策と聞くと専用の空気清浄機を設置したり、消毒のために大型の機械を設置したりと特別なことをしなければならないと思われがちです。
しかしコロナ対策は、毎日行っている衛生管理のレベルを上げることで、十分効果が望めます。
今回はコロナ感染を予防するための衛生管理のポイントを解説します。
「今後はコロナ対策が十分できているかどうかもお店を選ぶ基準となることが予想されます。」
食品を介しての新型コロナウイルス感染があるのかについても解説しているのでぜひ最後までご覧ください。
コロナ対策のための衛生管理のポイント5選【食品事業者向け】

コロナ対策と聞くと難しそう…と思われるかもしれませんが、そのようなことはありません。
ここからは、コロナ対策のための衛生管理のポイントを5つ解説します。
- 従業員の体調管理を徹底する
- スムーズな連絡体制の構築
- 手洗いの徹底
- マスク着用の徹底
- 清掃の徹底
それでは1つずつ解説します。
ポイント1:従業員の体調管理を徹底する
従業員の出勤時の体温測定と記録を徹底するのもコロナ対策の1つです。
新型コロナウイルス感染症の症状の1つに37.5度以上の発熱 があります。
従業員の発熱を確認したら自宅待機を指示し、菌を店に持ち込ませないようにしましょう。
新型コロナウイルス感染症の症状は発熱だけではないので、検温時に風邪症状がないか尋ねるのも効果的です。
ただ職場の雰囲気が悪いと、風邪症状の自覚があっても嘘を付いたり黙ってしまったりしてしまう恐れがあります。
日ごろから体調不良を含め、何でも言いやすい職場環境を作ることが大事です。
ポイント2:スムーズな連絡体制の構築
従業員には、風邪症状が4日以上続いた場合は、お店または工場に連絡を入れて、保健所に連絡するよう予め伝えておきましょう。
これを徹底することにより、万が一従業員の新型コロナウイルス感染を確認しても、感染拡大を最小限に抑えられます。
ポイント3:手洗いの徹底
新型コロナウイルスの感染経路の1つに接触感染があります。
自分が保菌していなくても、ドアやテーブルなどに新型コロナウイルスが付着しているかもしれません。
- 出勤時
- トイレ使用後
- 売り場
- 厨房、製造、加工施設の入場時
の手洗い・手指のアルコールを徹底して感染予防に努めましょう。
また飲食店では、 お客様に手洗い・手指のアルコール消毒を徹底してもらうこともコロナ対策に効果的 です。
- 店の入り口・トイレにアルコール消毒液を設置する
- トイレに手洗い方法を分かりやすく掲示する
などの準備を行い、お客様にもご協力をお願いしましょう。
なお、正しい手洗いについては次の記事に詳しく掲載されていますので、ぜひご覧ください。
ポイント4:マスク着用の徹底
日常生活でもマスク着用が浸透してきていますが、鼻だしマスクなど付け方が間違っている人が多いようです。
新型コロナウイルスは、鼻と口の中に多く、鼻水や唾液を介して感染しやすくなります。
鼻出しマスクでは、マスクの効果を発揮できず、新型コロナウイルスを予防できません。
マスクはただ装着するのではなく、正しく付けるようにしましょう。
また食事や化粧直しなどマスクを外す時も要注意。
マスクを触ることは、肌を触るのと同じで新型コロナウイルスが手に付着してしまう恐れがあります。
マスクに触れたら必ず手を洗いましょう。
マスクを不用意に触らないためにも、サイズが合うものを選ぶのも大事です。
使い捨てマスクを備え付けている事業所は、SMLとサイズの違うマスクを用意するといいですね。
ポイント5:清掃の徹底
清掃の徹底も新型コロナウイルス感染症予防に効果的です。
普段の清掃はもちろんのこと、次に挙げる場所の アルコール消毒を徹底 しましょう。
- ドアノブ
- スイッチ、ボタン
- 手すり
- テーブル・イス
- カウンター
- 共用で使用するもの(メニュー、トングなど)
アルコール消毒液が不足して、手に入りにくい時は、界面活性剤を含む住居用洗剤でも効果があります。
飲食店の場合、客席エリアの殺菌はテーブルとイスでクロスを使い分けます。
クロスは濡れたまま放置しておくと菌が増殖するので、使い捨てまたは薬品に浸け置き保管して清潔に保ちましょう。
とくに小さな子どもは、好奇心旺盛のため私たち大人が想定しない場所に触れたり、なめたりしがちです。
お子様連れのお客様が来店する飲食店などは、よりこまめな清掃・消毒を心がけましょう。
これからお店選びの基準は衛生管理になる?

コロナ禍による外出自粛により、やむを得ず営業時間短縮や休業を強いられている飲食店が多く、厳しい状況が続いています。
これにコロナ対策が加わると、店の大きな負担になると思う経営者さんは少なくないでしょう。
しかしながら先ほども説明した通り、 食品事業者におけるコロナ対策は、食品衛生の基本ばかり。
新しいことでも特別なことでもありません。
新型コロナウイルスが蔓延したことによって、お客様にお店の衛生管理が見える化されただけのことです。
今後、お店選びの基準の1つとして衛生管理が入ってくるのは間違いありません。
食品業者はこれをチャンスととらえて、衛生管理をもう一度見直し、お客様にアピールしましょう。
食品を介してコロナに感染したとされる事例の報告はない

2020年2月21日現在、食品(生で喫食する野菜・果実や鮮魚介類を含む。)を介して新型コロナウイルス感染症に感染したとされる事例は報告されていません。
しかし今後、食品を介して新型コロナウイルスが蔓延する可能性はゼロではありません。
- 生あるいは加熱不十分な肉・肉製品の提供を避ける
- 生の肉・魚介類の取り扱い・調理に注意する
食品業者はこの2点に気を付けながら営業を行いましょう。
またこの2点は食中毒の予防にも当てはまりますので、コロナが落ち着いた後も徹底していくことをおすすめします。
一般的な衛生管理の徹底がコロナ対策につながる

コロナ対策における衛生管理には、
- お客様同士が密にならないように席を離す
- 十分な換気を行う
- 従業員同士の間隔を空けて作業する
など飛沫感染を防ぐための対策が加えられますが、それ以外は一般的な衛生管理の方法と変わりません。
手洗いや客席エリアの清掃・殺菌などの衛生管理は、 コロナが蔓延していなくても食品安全において必要なこと です。
今一度、お店や工場などの衛生管理を見直し、怠っていることはないか確認しましょう。
まとめ:コロナは普段の衛生管理を徹底して対策を!

食品業者におけるコロナ対策は、一般的な衛生管理を徹底することなので、とくに新しいことをする必要はありません。
ただ、コロナ禍によりお客様はお店の衛生管理により目を向けるようになったので、今一度見直すことをおすすめします。
まとめ
- 食品業者におけるコロナ対策は一般的な衛生管理とほぼ同じ
- お客さんがお店を選ぶ基準の1つに衛生管理が入る
- コロナ対策をアピールすることでお客様からの信頼が得られる
衛生管理を続けることは手間や時間がかかりますが、徹底することでお客様からの信頼を得られます。
市町村では独自にコロナ対策認証制度を作っており、基準をクリアしたお店や事業所にステッカーや認定書を配る取り組みも行っています。
このような制度を積極的に利用し、お店や事業所の衛生管理をアピールしていくのもいいですね。
コロナ対策を徹底して、安心安全な商品をお客様に提供していきましょう。
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